以下、単なる脳内妄想です、脳内妄想です、脳内妄想です――。
※某未翻訳作が基になっています。
※ですが忠実ではなく、正確でもありません。半端で迷惑で、大いに誤解を招く恐れがあります。繰り返しますが、原作を基にした、単なる妄想です。
※そのくせネタバレはネタバレです(主に未翻訳作)。くれぐれも閲覧注意願います。
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あるところに大富豪がいた。彼は良いやつでは決してなかったが、今後は寄付や慈善活動も始めようと考えていた矢先、とある事件に巻き込まれ、記憶喪失になってしまう。すなわち彼だけが知っていた銀行口座をはじめ、諸々の暗証番号がすべて忘れ去られてしまう。当人が死亡したのではないので、その種の手続きで相続人に引き渡すこともできなくなった。
診断の結果、記憶は戻る見通しがないと知らされ、大富豪の夫人は困り果てる。銀行口座はともかく、夫しか暗証番号を知らない金庫が、あちこちの屋敷のいたるところにあった。
そこで彼女は思いついた。
ナンバーワン金庫破りコンテストを開催しましょう!
条件は以下、
①金庫を開けた人は、大富豪夫人と中身を折半できる。もしくは金庫三体につき現金10万ドルが支払われる。
②常識ある人ならだれが来ても警察には通報しない。
③ただし大騒ぎになることが予想されるので、制限時間あり。
④夫人に危害が及んだり、家のほかの財産が損なわれたりした場合、即警察に通報。
⑤事前予約の上、お屋敷を訪問。あとは原則早い者勝ち。
⑥助手一人のみ臨場可。
⑦金庫の爆破は良識の範囲で(はい?)。警察が来た場合、夫人は一切責任を負わない。
できるかぎり諸々の税金を逃れたい夫人は、いわゆる裏社会にまずこのコンテストの情報を流す。
ドートマンダー
「…これ、あいつじゃないのか?」
ケルプ
「あいつだよな……」
色めき立つ裏社会。あっけに取られるドートマンダーと仲間たち。
ドートマンダー
「…お前、俺になにか隠していないか?」
ケルプ
「か、隠してないよ。お前こそなにか隠しているんじゃないのか?」
ドートマンダー
「……ウォーリー・ホイッスラーから助手に誘われた」
ケルプ
「……俺もハーマンから助手に誘われた」
ところがそこへスタン・マーチとタイニー・バルチャーが来襲。二人曰く、「あれは元々俺たち四人が目をつけた財産! 奪い損ねた金! なんでみすみすほかの連中に渡さなきゃならないんだ!」「ドートマンダー、お前がいちばんよくわかっているはずだ!」
ドートマンダーとケルプ
「…………」
相談の末、ケルプをチームの金庫破り代表として送り込むことに。
ドートマンダー
「いや、アンディーには悪いが、これは無理だろう……」
タイニー
「そこはドートマンダー、お前の頭でなんとかしろ」
スタン
「俺たちは悪党なんだから、真っ向勝負がすべてじゃないだろ」
しかしそうなると、ライバルが天下第一級の鍵師ウォーリー・ホイッスラーと、それと比肩する経験豊かなハーマン・ジョーンズとなり、さらには片手で錠前を破ることで有名なラルフ・ウインズロウも参戦確実という。
事情をなにも知らないジャドソンくん、いたって楽天的にケルプを全力応援態勢。
ジャドソン
「アンディーなら絶対できるよ! 俺も手助けに行くよ! ジョンがサポートでつくなら、俺はピザ宅配の兄ちゃんに化けたりしてさ!」(※ジャドソンくんの信頼の根拠は、未翻訳作のどこかを参照)
ケルプ
「キッド、お前がなにをしてくれるんだよ?」
ジャドソン
「皆の目が二人に向いている隙に、お屋敷からこっそりほかのなにかを拝借して帰るのは?」
ケルプ
「まあ、『保険』としてはそれも悪くないか。手ぶらで帰らずに済むようにな」
ケルプもさすがに今回ばかりは楽天的になれない。なにしろよく知る腕利きの仲間たちが、一転ライバルになるのだから。しかも全員その道の専門家。
……でもジョンのことだからなんとかしてくれるか、と最終的にはドートマンダーの天才をどこかで頼みにしてしまう。
さて、裏社会・金庫破りコンテストのエントリーは以下のとおり。
1、アンディー・ケルプ +ジョン・ドートマンダー
2、ラルフ・ウインズロウ +ジム・オハラ
3、ウォーリー・ホイッスラー +ガス・ブロック
4、ハーマン・ジョーンズ +スタン・マーチ
5、ウィルバー・ハウイー +タイニー・バルチャー
!!!!!?????
タイニー
「保険だ」
スタン
「保険だな」
ドートマンダー&ケルプ、あ然。
ジャドソン
「……どうしよう。いったい俺はどのチームを応援したらいいの?」
J・C
「まるで競馬ね」
いつもの仲間たちから華麗なる裏切りをこうむったドートマンダーとケルプ。
とりあえず最大の強敵ウォーリー・ホイッスラーの前には、猛獣の入った檻ないし素敵な最新ロックつき輸送トラック(埠頭へ直行、それから大西洋横断の船へ)でも用意して、始まる前にリタイヤさせる作戦を考えつくが、勝ち目のない戦に挑む羽目になったのは否めない。
その間にも、コンテストの参加者は増え続ける。
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21、ロジャー・チェフウィック +カーウィン(西部在住。隣人同士)
ドートマンダー
「!!!???」
22、ラルフ・ウィス +フランク・エルキンズ(シカゴ在住。ご近所さん)
23、ブリッグス +トム・ハーリー(両方自称引退中)
24、ロングアイランド在住マッケイ食堂の店主 +友人のチャールズ・ウィリス
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金庫破りコンテストというだけでもイカれているのに、さらにどんどんヤバくなっていくが――(24番はシャレにならない)(マッケイ食堂は②『強盗プロフェッショナル』(1972)で謎の全焼 → ハンディ現役復帰⑯『殺戮の月』(1974)。……ディーヴァズくんが鍋でも焦がしたんだろうか?)――いよいよコンテストが始まる。
25、アラン・グロフィールド +スタン・ディーヴァズ(金庫を開ける気はない。夫人を口説き落としてもう半分のほうをせしめようぜ!)
そこへ以前の大富豪絡みの仕事で目前に迫り来ていた警察&殺し屋までが現れ、フレッド・B(ケルプの偽名)ばどこだ!」と探しまわり、事態はオールスターキャストにもほどがある未曽有のカオスへ――。
ドートマンダーはケルプを守りサポートし、自分への流れ弾(ほぼ文字どおり)も回避し、さらにライバルになった腕利き仲間たちをも凌ぎ、平行世界の冷酷非情なヴァイオレンスにも巻き込まれず、大富豪の財産を手にできるのか!? むしろ命が無事で済んだらもうけものか!?
ガッタ・ハッスル、ドートマンダー!
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……滅茶苦茶ですな。
こんな想像してにやつけるなんて、お前は本当に幸せ者だなと、我ながら思います。
……ど、どなたか書いt――――
重ねて申しますが、まったく忠実ではありません。一個人の妄想です。本気になさらないよう。
以下、追記。
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