A.Banana.S

古代ローマ、NACSさん、ドートマンダーにパーカー、西武ライオンズ、FEプレイ日記(似非)・・・好きなことをぽつぽつと。

はいあと11年、忘れてはいませんぞーー!!(真っ白)

 

世界情勢がどえらいことになっておりますが、11年後の2037316日にはローマにお参りに行くぞ!……という、毎年恒例の決意表明記事でございます。

 

世界はさておき、個人の条件としては小説でティベリウスの生涯を描くこと……すなわち拙著「古代ローマ、ティベリウスの物語」を完結させることがあるのですが……

 

(いや、さすがに無理じゃね……?)

 

となっている今日この頃。

 

せいぜい書けて、あと12作じゃないか!? もういっそ最終話を書くか?? すっ飛ばしすぎだが、最終回のラストシーンだけは、ほとんど当初から考えてあるんだ! 多くの創作者の方々がそうだと思いますが、私のような超アマチュアでさえ、最終到達点を目指して走っておるんですわ! 書きたいシーンがあることをモチベーションに続けておるんですわ。

 

今この現状を「続けている」と言ってよいのかは大いに疑問ですが……

 

AIだったら続き書いてくれるの?? 私がまだだれにも話していないラストシーンの最終ゴールまで書いてくれるの??

 

そんなわけはないわけで、なにより過程を楽しむ(悪戦苦闘する)のが創作であるはずで、うれしい評価・感想コメントや金銭の見返りは、もし万が一あったら大喜びするおまけとかプレゼントのようなものでしょう。趣味で好き勝手に書いている以上は。

 

現実が見えていないわけではなく、かといって1日たりとも忘れて過ごしてはおりません。本当ですぜ!

 

ただ、別の長いやつに取りかかってしまったことと(公開した以上は最後まで書く責任がある)、加齢を感じる出来事に、日々追われてしまっていると言いますか。

 

それでも、まだ書くことを続けていられる環境にあるだけありがたい。数年前のコロナ禍と重なりましたが、仕事も私生活もそれどころではない日々がありました。

またいつそうなってもおかしくない以上、一日一日を大事に過ごさねば、ですが……

 

……それにしても、休日にほんの5千字書いただけで翌日に持ち越すレベルの頭痛(しかも2週連続)に見舞われたのには、少々我が身に失望しましたわ!

 

……もう私には、長編を書く体力が残っていないのかもしれない。思った以上に残された人生の時間もないのかもしれない。

 

それを思えば、まだ若いうち——書けるうちにあれこれ書きたいものを書いたり、あるいは海外に一人出かけてたりして、よかったなぁと思うのでした。

これ以上先延ばしにしては、できるという保証はなかった。

今死んでも悔いがないかと自分に問えば、考えて苦しくなるほどの悔いは、たぶんない。

やっといてよかった。

 

もっとも人生、だれかが言っていたように、オバサンオジサンになってからのほうが、(平均寿命的には)長い。若い頃とは時間の流れ方が全然違う気がするが、理論上はこれからもまだまだ長い。

 

やりたいことをここで終わりとし、欲もなく生きるにはもったいないはずです。

 

まぁ……私は今のところ、もうちょっと読まれてみたい、くらいの欲しかないのですが(ホントか?)

 

去年の今日の記事を見返したら、書いていたことをほとんど実行できていないどころか、何も進歩していないな! なにをしていたんだ!? この1年!(オフ会を果たしたり、ご生誕スペースに入れていただいたり、色々できましたとも!)

 

……どんどん思い残すことがなくなっていく気が……

 

このままなにも残さずに終わるのも、人生。

 

しかし毎年忘れずに申しているだけの意志はまだあるのですから、

 

コツコツ行きましょう!

 

それからまた夢でも描かねば、ですな!

 

 

 

※※※

当方の《古代ローマ小説》です。


1、『ティベリウス・ネロの虜囚』(https://ncode.syosetu.com/n6930cz/) 
2、『ピュートドリスとティベリウス』(https://ncode.syosetu.com/n6661ez/

3、『世界の果てで、永遠の友に』(https://ncode.syosetu.com/n5712hm/

※※※

0906-0908・6年ぶりの一人旅と、ひっそり参加のお知らせ

ご無沙汰しております。

「90日以上更新していないからオレが現れるんだぜ!」という広告を見て、すっかり筆不精になった自分を反省いたしました。

あちらの小説そちらの二次より、ここでアクセスいただく日も多い様子だというのに……。(いったい何故……? パーカーですか? 今年ドートマンダー・シリーズの翻訳が久しぶりに出ましたからな! マズい! 見つかるのか!? 私が十何年もの恨みつらみを込めて書き殴った某バズーカ運転手の件が……! むしろ去年まで本当の意味で気づいてもいなかったという例の事実が……!)

 

なんと申しますか、年を取って諸々の欲がなくなった感がありまして……(ただ面倒くさがりが加速しただけでありましょう)

いやいや、良くない! これは良くないぞ!

 

まぁ……某所には予定5万字を16万字にして投げておりましたが、やはりウデが鈍ってしまう! ……鈍るほどのウデがあったかはさておき、使わなければ筋力が衰えるのと同じだ。

 

年内になんとかもう1本あっちかこっちに……とは考えておるのですが、なかなか手が進まず。

 

ああ、ついに『鬼滅の刃』を履修しました! これで『名探偵コナン』『ONE PIECE』『キングダム』『テニスの王子様(新・旧)』等々……私はなんかしらのマンガの話題に必ずついていけますな! ダテに40年以上、気ままなシングルやってないっすわ! ガハハ……!

 

とまぁ、特に変わった近況などはございませんが、個人的な記録・日記として、今年9月の旅の話と、一つお知らせをば。

 

先にお知らせを。

 

いつもは11月16日、ティベリウス帝の生誕日に合わせ、細々とブログを更新して「書く! 来年こそは書くから!」と、一人空しく決意表明をしておるのですが……(それで書いた年がどれだけあったか?)

 

今年は、ティベリウス生誕日』に合わせたスペースに参加させていただくことになりました!!

ブログ開設以来、そしてTwitterないしXアカウント作成以来、公開の場でしゃべるのは初めてのことですぜ!

どーしましょう! この超絶コミュ障が……! 冗談ではなく、このブログでも我が人生における数々のやらかしを書いてきたはず……。

しかもティベリウス帝がテーマで! わたくし、なんの話題も持ち込めない! なんなら知識をかなーり忘却してしまったまま。

古代ローマ小説の続編も書かないまま、もうじき4年になってしまうというのに……!!

月日の流れの速さに戦慄しつつ、なにも書けない現状に焦りながら、まぁきっとなんとかなるさというずうずうしい精神で、ほとんどお話ししたことのない皆様の中へお邪魔することになります。

 

うおぉ…………!

 

 

で、で、あとは本年9月の旅の話ですが、

この記事以来の、首都圏でした。コロナ禍以来、2泊以上の旅をしたのは本当に丸6年ぶりでした。

 

anridd-abananas.hateblo.jp

 

無論、一人旅です。すっかりすっかり出不精になり、ほんの2泊3日の旅でさえ、やり通す自信を失っていた40代わたくし。

最終日にお友だちが会ってくれるという約束がなければ、結局土壇場でやめにしていたかもしれません。それくらい異様な緊張を感じながら、出発当日を迎えました。

 

羽田空港に到着した瞬間、なつかしい気持ちと新鮮な好奇心がよみがえりました。

まずはさっそく、何年も前に森崎リーダーが紹介なさっていたCuudさんを再訪しましたよね。「美味すぎないか……!」と思いながら食しつつ、「帰ってきたんだ……!」という感慨がこみ上げてきました。

なにがって、ようやく、コロナ禍以前の日々が……! ごく個人的に。あの頃はやれ観劇だ観戦だと年1は首都圏に来ていました。

それ以前に、そもそも学生時代の5年間を過ごした場所でもありますから。勝手に第二の故郷であり、思い出の世界であるわけです。

あえて、わざと、山手線に乗って、のんびり東京を巡りました。座席に座ったまましきりに振り返って窓の外を見やる私は、よほどの田舎者か、なんだこのオバハンと思われたことでしょう。実際、多少不審がられる目線を受けました。というかキョロキョロして迷惑だったでしょう。ごめんなさい。

うおー! 渋谷だ! 昔、受験にも行ったし、バイトもしてた渋谷だ!

うおー! 代々木だ! 新宿だ! 通院がてら月イチでウロチョロしてた新宿だ! ちな絶対新南口から出ると決めていた! 迷うから! 今はどーなってんだ!

そして、うぉおおーーっ! 我が心の故郷・池袋! ……いったいどうなってしまったんだ? なにげに駅でいちばん迷ったんですが……。メトロポリタン口が……! ルミネがすべてを混乱させてくる……!

ともかく、ジェラピケのクレープを食べるなどしながら、私は夕暮れ時まで独りなつかしさと感傷に浸っておりました。

通っていた大学自体は、そんなに変わっていなかったんですが……(今の学生さんたちって、休講情報とか全部スマホのアプリとかでチェックしているんだろうか……? 外より中が変わった気がしました)

かつて暮らしていた場所がある某駅前に、ものすごいタワマンがそびえたっているのを見た時がいちばん衝撃でしたね……!

 

えっ……?

ええっ……??

 

いったい何年ぶりだったか。

もうなつかしの光景は、私の頭の中にしか存在しません。

けれども少し駅前を離れて歩いてみれば、そこにはやはり見覚えのある世界が確かに。

二十年も経つのに、変わらず営業しているお店もいっぱいありました。

夢幻ではなく、思い出は実際にあった事でした。

どっぷり暗くなるまで、私はかつて暮らしていた場所を歩きまわったのでした。

この日の宿泊先は、隣の埼玉県だったのですが、ずいぶん夜も更けてからの到着となりました。

ここに至って、案外驚いたものです。6年も出不精をやっていたわりに、結構歩けたな、と。旅のしかたを覚えていたんだな、と。

まぁ、この日はほぼなじみの土地でしたからね。それでもあまりに久しぶりで、色々あってもう二度と来られないかもしれないと思っていた……なんて大げさですが、あれは夢だったんじゃないかというくらい遠い過去感がありました。

きっとそれだけ、それなりに、私も色々あった6年間を過ごしてきたということなのでしょう。

 

ま、まぁ……そうだな……。結果だけ見ればほとんどなにも変わっていないが、色々あったからな……ありすぎたからな……(白目)

 

ある意味では、そんな中をなんとか無事生き抜いて戻ってきた。やけに感慨深い旅になったのは、そういう理由だったのでしょう。

 

帰ってきた旅だった。

 

さて、その翌日は、待ちに待った6年ぶりの現地観戦! 人生二度目の西武ライオンズ本拠地へ!

その前に人生初、川越の観光を決行いたしました!

5年も首都圏に住んでいながら、一度も訪れたことがなかったという。

気温は35度! 9月でも普通に猛暑!

うっかりファンデーションを家に置き忘れ、少しばかりノーメイクで歩く羽目に!(川越のオルビスショップに駆け込みましたわ。都会って便利ですわぁ……)

本川越駅まで歩き、炭谷銀さんのパネルを見つけていよいよ気持ちが高ぶり、コインロッカーに荷物を預けて、狭山茶を飲みながら観光しました。

だがこの日はまだまだ終わらない。

宿泊地は聖地・所沢でした。以前は池袋からドームに直行だったので、この縁もゆかりもない北育ちの一ファンが降り立ったのは初めてでした。

うおぉおおおおおおお……! 街じゅうライオンズじゃん……!!

川越を歩いているあいだはほとんどまったく感じなかったのですが、気づけば少しずつ増えていく「仲間」の気配……!

プロぺ通りを進み、『竹國』さんで、所沢名物の「肉汁うどん」を遅い昼食としていただきました。滅茶苦茶美味い!と静かに感動しつつ。「肉汁つけうどん」はあらかじめ『おにぎりあたためますか』で予習しておいた情報でした。豚一家が行かれたのと同じお店ではないですが、西武ライオンズだらけのプロぺ通りにありますし、最高でしたぞ!

それからいよいよベルーナドームへ移動しました。

早めについたはずが、せっかくだから多摩湖狭山湖をひと目見たいと思った私は、独り人の流れを逆行して、寄り道を始めました。

グーグルマップ以外なにも調べないで行ったものだから……多摩湖はすぐにたどりつけたんですが、狭山湖はすぐそこにあるはずなのに、なんと見ることが叶いませんでした……!

坂を上り、上り……もう試合開始時間を目前に、ギブアップしました。

……これ、ベルーナドームに行くのとは別ルートで考えなきゃいけなかったやつですねハハハ……。

ま、まぁ、旅には失敗もつきもの! 無事に済んだならヨシ! また次の機会の楽しみにすればいいだけの話!

なんとか試合開始に間に合って、私は観戦席につきました。

前回は、観戦初心者ということもあり、遠慮して一塁側内野におりました。そして最高の光景を目の当たりにできたわけですが(今振り返っても豪華すぎるメンバー。そして最推しがヒーローインタビュー)、今回は思い切って三塁側内野席に。

うぉお……ブルペンが見える……! あっ、あれはだれだ? ずっといるぞ、がんばれ!(たぶん黒木投手) おぉおっ、本物のウィンゲンターが出てきたぁ……!

と、ガチファン勢の中でいささか身を小さくしたつもりでいながら、少しも飽きることなくわくわくと観戦しておりました。

球場飯を買いに出たあいだに、うっかり渡部せいやんのホームランを見逃すという惜しいことをしましたが、ひと目見たかった若いチーム・メンバーのほとんどの活躍を見ることができました。負け試合でしたが、満足感でいっぱいでした。

近くにいたお子さんが、たぶん4歳くらいでしょうに、多くの選手の応援歌を歌い、一人で席を離れてはきちんと帰ってきて、さすが地元のガチ勢様だと尊敬いたしました。

帰りはのんびり、ご機嫌なロッテファンに囲まれながら、所沢に戻りました。うん、佐藤トシくんのHRすごかったもんなぁ……。あっぱれとしか言えん。小島さんもさすが歴戦のピッチングだったし。

その夜から朝にかけては、できるだけ埼玉のローカル番組を見ながら過ごし、昼前に独り名残惜しがりながら所沢を去りました。

いずれまた行きましょう! 早ければ来年にでも!! 

最終日は無事お友だちにも会えまして、笑いながら、とても楽しい時間を過ごせました。ムフフ……(色々描いていただいたものを見つめながら)(私だけが鑑賞できるのはもったいないと思う……)

この物価高のご時世、内心金欠に怯えてはおりましたが、無事に2泊3日を旅し終えました。

終わってみれば特に2日目、2万歩以上を歩いておりました。川越観光&狭山湖探しが効きました。

それでも足を痛めることなく歩ききったのだから、我が体力もなくなったわけではなかったようです。出不精の6年間で、年を取っていた中でも。

それはちょっとうれしかったな。

もうオバハンで中年ではありますが、まだ老年ではない。欲を失くし、心を老け込ませるにはまだあまりにも早い。

これからも色々なことがありましょうが、それでも一生退屈しないくらいには、趣味や楽しみを見つけられた人生であったはず。

思い出もしかり。感傷旅行ができるくらいには、充実した日々が確かにあったのだから。……思えばあの当時、20歳前後は、人生で最もしんどくて本気で病んだ日々もあったのですが、終わりました。次のしんどい日々まで、幸福に生きました。

そのくり返しができることもまた、いつか幸福だったと思うのでしょうか……?

 

……なんて、振り返ればまたしても感傷に引きずられるわけですが、とにかく久しぶりに良いリフレッシュとなりました。旅のあとは、疲れどころか、体が軽くなったようにさえ感じられました。日常に戻ったあとも、仕事への集中度が増したような気もします。

 

時には旅も大事なんだな、と思い出したものでした。

また行きたい。そういう欲も出てきました。今年はまぁ……やはり資金不足でCUEファンミも断念するしかなく、現実はやはり厳しいことのほうが多いでしょう。

だがまだまだ、老け込むには早い!

だいたい、なんだ、十二年後にローマへ行くことを決めているのだから、うかうかしてはいられないって! イタリア語も勉強し直さなきゃならないって!

たぶん、残り半分もないだろう人生。やりたいことをやれる時間も限られている。今もさして悔いはないけれど、すべてはできないのだから、やれることをやりましょう!

……と、ちょっと早い、毎度の決意表明でした。

 

さて、書くか!

 

 

 

 

『仮オーブと魔物たち』&『リーフ王子のグランベル778』の続編

......を、pixiv様にアップしました。こちらにはまた最初の1ページのみ載せます。

第一部のタイトルは「騎士と傭兵の双」

 

ははははは、ホント、いい年してなにやってんだかな、と思います。

言い訳すれば、書いたのは約20年前で、それを加筆・修正したものです。今までどこにも公開したことはありません。

そして、第一部は終わっているんですが、第二部以降は途中で挫折し、完結していない……。つまり、第一部『騎士と傭兵の双』以外は、見切り発車です。どうなることやら。いつ終わるのか。

そして、今まで読者様に恵まれ続けてきたわたくしも、今度こそだれにも読まれないものを連載するのではないか、と恐れつつも覚悟せねばと思っております。

 

だ、第一部だけは、なんとしても上げ終えます。

 

あ、あと、大事なことが……! このブログで連載した、会話形式の「リーフ王子のグランベル778」、こちらの大ポカで長いこと読みづらいどころか、あちこち飛んでいる仕様になっておりまして、今頃修正しました。大変失礼いたしました! まったく、恥ずかしい、ひどすぎる……!

 

で、で、では、こちら、最初の1ページでございます。(FEのゲームプレイ日記だったはずが、まさかこんなところまでこようとは……)

 

【シリーズ『魔石にまつわる最後の決戦~続・仮オーブと魔物たち~』】

 

第一部 騎士と傭兵の双 ①出会い

 

 

 

 視界が開けると、そこは見知らぬ国だった。

(……まいった。まいったまいったまいった……)

 頭を抱えるまではしなかったが、実のところは動けなかったのだ。あ然呆然と、フェルグスは立ちつくすばかりだ。

 右手だけはほとんど無意識に、首元を押さえるように動いていた。

 なぜ見知らぬ国だとわかるのか。第一に、今さっき黄味を帯びた白い光の渦に呑み込まれた。ワープだ。まるで落とし穴かなにかのように突如出現した、転移魔法だ。術者らしき者などどこにもいなかったのだが……。少なくともフェルグスの目の届いた範囲では。

 第二に、辺り一帯に広がる街並みにまったく見覚えがないばかりか、雰囲気がとにかく違う。建物の造り、家々が備える屋根や壁の色、カーテンの模様、あるいはこの国かどこかの組織の紋章らしき図柄が描かれた旗、道端や花壇のあちこちで育っている木々や草花──そうしたもののどれもが、ユグドラル大陸じゅうを渡り歩いた経験を持つフェルグスの目に初めて映るものだった。

 周りを歩く大勢の陽気そうな人々──その服装も、ユグドラル大陸のどの地方で見られるものとも微妙に違って見える。

(嘘だろ……? まいった……まいった……)

 だめだろうと思いながら、フェルグスは背後へ首をまわした。だがやはりもはや、自分をこの見知らぬ国に連れ込んでくれた光の渦は、跡形も欠片もなく消えていた。

 フェルグスはゆっくりと首を前に戻し、ぽりぽりと頭をかくのだった。

(なんでだ、なんでだ、なんでだ? ……なんだっていきなりこんなわけのわかんねぇ事態になるんだよ?)

 怒るよりは、呆れていた。しかしどの感情にせよ、ぶつける対象がよくわからなかったので、結局自分に愛想を尽かすしかない。

(どんな厄介事だ、今度は……?)

 遠く、自分の正面を見た。ここが見知らぬ国であろう第三の理由がそこにあった。

 ひと言で言えば、立派な城だった。華やかさはなく、むしろ地味で質素な印象を受ける。けれども堅固で、長い歴史を刻んだ風格を備えている。支配者というよりは守護者として、正しくこの国を見守っているように。

 物静かで、堂々たる主──この城を見上げる国民は、きっと安心感を覚えるのだろう。そんなことを考えながら、フェルグスはこの平和な城下街を歩きだした。

 道の左右に様々な店が立ち並び、人々はにぎやかに行き交っていた。どうやらこの道は、城へまっすぐに伸びる大通りの一つらしい。人々は、ぼんやり通りの真ん中を歩く異国人を気にするそぶりもなく、笑顔で行き交っている。

 青空だけが、来た大陸と同じだ。どこまでも濃い秋空だ。見ていると目に染みるようで、切なくなるほどの。街路の草木も、同じ季節を知らせていた。

 フェルグスは一度目を閉じ、わずかに顎を引いた。それからまた開くと、そこに変わらず、明るい人々の顔が戻ってきた。

(平和な国なんだな……)

 すれ違う親子連れに目をやりながら、思った。

(ただ、建物や柱のあちこちに修復の痕がある。平和になったのはわりと最近なのかもな)

 若い男女が手をつないで、フェルグスの脇をすり抜けていった。男のほうは片腕に大きな紙袋を抱えていた。

(……ところで俺は、これからどうすればいいんだ? 帰り道は?)

 と、首元をまたくすぐる。

 子どもたちが五、六人、キャッキャと騒ぎながら、フェルグスの周りを駆けていった。「待ちなさい!」と、教会の司祭らしき人が、その跡を追った。

 フェルグスは、今や居心地の悪い不安を無視できなくなってきた。

(俺が突然現れたのを、だれも見てないのか?)

 まるで周りの人間すべてが、亡霊であるかのように──。

(……もしかして、こいつらには俺が見えてねぇのか?)

「兄さんっ!」

「うあ゛っ?」

 思わず悲鳴を上げて、のけぞった。背後からだしぬけに髪を強く引っ張られたのだから、当然の反応だった。痛みにやや涙目になりながら、振り返った。

 翠緑の目をまん丸に見開いた若者が、じっと見つめてきた。

「!──」

 首の後ろで束ねた髪をがっしり掴まれたまま、フェルグスは言葉を失って立ちつくした。

 整った凛々しい顔立ちには、まだあどけなさが残っていた。二十歳前後だろうか。今は驚きに満ちている澄んだ瞳に、その内面の純粋さが表れていた。柔らかな風合いの金髪が、フェルグスにはひどくまぶしく感じられた。

 若者はフェルグスを穴が開くほど凝視していた。フェルグスもまた魅入られたように、若者を見つめていた。

 本当に、きれいな目だった──。

「ご、ごごごごごめんなさいぃっっ!」

 と、いきなり若者は顔を真っ赤にした。桜の実のようだった。そしてようやくフェルグスの髪束を放すと、ものすごい勢いで頭を下げてきた。

 ガツンッ!

「いたっ……」

 フェルグスの肩当ての端に、額をぶつけた。

「だ、だいじょぶか?」

 フェルグスは思わず心配して、若者の顔を覗き込んだ。

「は、はい~~。あっ、いえ……その……本当に、ごめんなさいっっ!」

「待て。待てって」

 涙目になりながらもう一度頭を下げようとする少年を、フェルグスは両手で制した。

「うわー、コブになりそうだぞ。痛かったろ?」

「へ、平気です。それよりぼくは、あなたにとんだご無礼を働いてしまいました」

「いや、それより──」

「人違いで無理に呼び止めたばかりか、甲冑に傷を──」

「いやいや傷なんてついてねぇから気にすんな! どうせたいしたモンでもないんだし」

「そんな……」

「髪引っ張られたのはちょっと痛かったけどな」

「ごめんなさい……」若者はしょんぼりとなった。「あなたがぼくの兄にあまりに似ていたものですから、間違えてしまって」

「……兄?」

「はい。十日前から見つからなくて」

「そうかい。そりゃ心配だろうな」

 どうやらこの若者の沈んだ顔つきの理由は、人違いでフェルグスの髪を引っこ抜きかけたからだけではないようだ。

「はい。まぁ、でもあの兄のことですから、どこかで元気でいるとは思うんですが」

 若者はそう言って微笑んだ。無理に作ったのだろうが、それでも明るくやわらかだった。その兄をまっすぐに信じているのだろう。

 フェルグスは自分を指差して、にやっと笑った。

「そんなに似てるのか、お前の兄ちゃんに?」

「はい! それはもう!」

 と、今度はかなり興奮気味に目を輝かせ、若者は大きくうなずいた。

「後ろ姿ばかりか顔立ちも、じっくり見なければわからないくらいです! まるで双子のようだ!」

「へええ」

「もちろんよく見ると違うところもあるんですけど、雰囲気もなんだかそっくりで、違和感がなくて。こうしていると、話し方も!」

「ふうん」

「不思議と初めてお会いするって感じがしないんです! ──って、ああっ! またぼくとしたことが、好き勝手なことまで言って! すみませんっ!」

 と、またもや顔を赤くして、深々と頭を下げるのだった。

「もういいって」

 また頭をぶつけないように、フェルグスは笑いながら一歩下がった。

 表情豊かなところが可愛いと思った。それに、素直だ。

 兄さんにそっくり、か──。

「フォルデ! 貴様という奴は、こんなところにいたのか!」

「うおっ!」

 今度はいきなり若者を押しのけつつ男が割り込んできて、フェルグスの胸倉をつかみ上げた。

「うぐっ……」

「誇り高きルネスの騎士ともあろう者が、十日間も無断で行方をくらますとは言語道断! それになんだ、その格好は? 傭兵にでもなったつもりか!」

 と、容赦なく締め上げてくる。

「貴様のサボり癖も今度ばかりは許せるものではないっ! 覚悟はできているんだろうな?」

「カイルさん、違います! この人はフォルデ兄さんではありません!」

 最初の若者が、大慌てで止めに入った。

「フランツ? お前はなぜこんな奴に頭を下げていたのだ? いくら兄弟とはいえ、道を踏み外した者は厳しく罰するのが、騎士としてあるべき姿──」

「だから違うんです! この人はフォルデ兄さんとは全然まったくの別人なんです!」

「な、なんだと……?」

 男は、そのままフェルグスを凝視した。たくましい体つきの、いかにも生真面目そうな男だった。その髪色と同じ深緑の瞳の中で、静かに燃える熱い炎を、フェルグスははっきりと見た。

 ──ってか早く手ェ放せ! 苦しい! 死ぬ!

 男がようやく手を放すと、フェルグスはせき込みながら必死に肺に空気を送った。

「すまなかった!」

 男は最初の若者ほど深々とではないが、実にかしこまって頭を下げてきた。

「あなたが私の怠け者で気ままでだらしのない同僚によく似ていたものだから、間違えてしまった!」

「ぜぇっ、はぁっ……そ、それってほんとに謝ってんのか?」

 生真面目すぎて正直すぎた男に、眉をしかめるフェルグス。あまり的外れとは言えない評であることは黙っていたが。

「だ、大丈夫ですか?」と、気遣ってくれる金髪の若者。「カイルさん、この方は、えっと……」

「俺はフェルグス。旅の傭兵だ。あんたらが捜しているフォルデとかいう男じゃなくて残念だったな」

「……ちょっと名前まで似てますね」と、若者がつぶやく。

「私は騎士カイル。同じくこの者は、フランツだ。フェルグス殿、大変失礼なことをした。お許し願いたい」

「いいよ。面白かったから」

 と、フェルグスはそのたくましい男──カイルににやっと笑いかけた。その顔を見て、カイルはつい堅苦しさを忘れたように、しげしげと凝視を再開した。そしてうめくのだった。

「ううむ……。世の中にこれほど似た人間がいるものなのだな」

「けど、じっくり見りゃわかるんだろ?」

「ああ。例えば瞳の色が、あいつはこの弟と同じで、緑色をしているからな」

 と、フェルグスの明るい茶色の瞳を見つめる。

「けど年ごろとか、体格とかもほとんど同じですよね? あなたのほうが少しがっしりしているかな? あと、違うと言えば、眉の形とか……ああ、それに、よく見ると髪質が──」

「おいおい、そんなに真剣に見られると、照れるぜ」

「す、すみません!」

「失礼した!」

 二人そろってまた頭を下げてくる。

 フェルグスは苦笑した。「ところであんたたち、ルネスの騎士とか言ったっけ? ここはルネスって国なのか?」

 今度は別の理由で、カイルとフランツはフェルグスを凝視してきた。

「いやいや、からかってるわけでも、狂ってるわけでもないぜ。俺はそのう……なんと言うか、異国人なんだよ」

「他国から来たのか? それにしても我らがルネス王国のことを知らないとは……」と、カイルが眉をひそめる。

「そもそも、ここはどこの何大陸と言うんだ?」

 その質問に、カイルとフランツは顔を見合わせるのだった。フランツが尋ねた。

「大丈夫ですか?」

「いや、だから狂ってるってわけじゃ……まぁ、でも、あんま大丈夫じゃないかもな……」

 見知らぬ国どころか見知らぬ大陸にたった一人放り出された身なら、助けが必要なのは明白だった。

「信じてもらえるかどうかわかんねぇけど、俺はユグドラル大陸ってとこから来たんだ」

ユグドラル大陸? 聞いたことがないな?」と、カイル。

「ここはマギ・ヴァル大陸と言います。このルネスは大陸のほぼ中央に位置する内陸国なんですよ」と、教えながら、フランツは次第に目を輝かせるのだった。「すごいなぁ! フェルグスさんは異国どころか、異大陸の人なんですね! 異大陸からわざわざこのルネスに、フォルデ兄さんそっくりの人がいらっしゃるなんて、なんだか運命を感じるなぁ!」

「ははは、運命はちょっと大げさかもしんねぇけど、すごい偶然だな」

 あまりに素直に話を受け入れるフランツに、フェルグスはまたつい苦笑をこぼした。

 カイルのほうは、もう少し慎重だった。

「……ロストン聖教国やフレリア王国ならば、他大陸とも交易しているとの噂を聞いたことがあるが……、どちらかの国を経由してきたのか? それともカルチノ共和国か?」

「え? え゛~~……っと……」

 さすがに光の渦に呑まれてワープしてきたなどとは言えず、答えに窮した。

 その時、どこからか鐘の音が聞こえてきた。いく度も重ねて鳴り響き、街じゅうに染み渡っていくようだった。

「いかんな」カイルは目線を遠くしていた。「まもなくエフラム様がグラドからお戻りになる時間だ。外までお迎えに上がらねば。エフラム様のことだから大丈夫とは思うが、このごろ賊どもが商人を襲う事件が相次いでいるからな」

「エフラム様?」

「ぼくたちの主君であるルネスの王です。南のグラドという国から半年ぶりに帰還なさるんですよ」

「行くぞ、フランツ」

 カイルはそう言うと、フェルグスにまた堅苦しく目礼した。急いでいるばかりでなく、フランツが見知らぬ自称異国人相手にあまりに打ち解けてしまいそうなことを、警戒しているようにも見えた。

「はい、カイルさん」

 フランツは同僚の秘かな心配に気づいたそぶりもなく、元気に応じた。

「フェルグスさん、ぼくたちはこれで失礼します」

 カイルが足早に去っていくが、フランツはあくまで自分のペースで、丁寧に頭を下げるのだった。

 カラン、という音がした。

「あのさ」フェルグスは尋ねてみた。「どっかこのへんに、俺を雇ってくれそうなところはないか? これでも剣の腕にはそこそこ自信があるんだが」

「でしたらエフラム様に頼んでみてはいかがですか?」

「お前さんの主君に? いいのか? 言っちゃなんだが、俺は相当どころじゃない余所モンだぞ。信用してもらえるかね?」

「ぼくからも頼んでみます。今日は長旅のあとなので難しいかもしれませんが、明日にでも。ぜひ城までいらしてください」

「おいおい、お前さんだって、俺とついさっき会ったばかりなんだぜ。大事な主君に、どこの馬の骨ともわからん男を紹介していいのか? 兄さんに似てるってだけで?」

「それで十分ですよ」

 フランツはにっこり笑った。

「ぼくは兄と生まれた時からのつき合いですよ。だからその兄によく似た人が良い人か悪い人かくらい、ちゃんとわかります」

 相変わらず澄んでいたが、その目には単なる素直さだけではない、落ち着いた思慮深さがあった。

「……なんだか筋が通ってるような通ってないような理屈だな」

 フェルグスはまたも苦笑するしかなかった。

「また会いましょう、フェルグスさん」

 そう言ってフランツは、カイルの跡を追って去っていった。

 残されたフェルグスは、軽い胸の痛みを覚えながら、その後姿を見送っていた。

 なんだ、見た目よりもずっとしっかりしてるんだな。

 残念だったよな。本当は俺じゃなくて、本物の「怠け者で気ままでだらしのない」、心配かけっぱなしの兄貴に会いたかったろうに──。

 ……ん?

 ふと、フェルグスは足下にあるきらめきに気づいた。拾い上げて、顔の前にかざす。

 女性物に見える櫛だった。木製で、紅く彩色されている。木の色も活かしつつ丁寧に施してある細工は、穏やかな風に吹かれてくるくるまわる風車を思わせた。手のひらに置くと、あたたかい木のぬくもりが伝わってくる。

 なぜだかひどくなつかしい気持ちになった。

 そういえば、さっきフランツが頭を下げたとき、カランという音がした。

 あいつが落としたのか? あまりに勢いよく俺に謝ったせいで。女物だが、ひょっとしたら家族や恋人へ渡すつもりのものなのかもしれない。

「やれやれ……」

 フェルグスはフランツの跡を追うことにした。柔らかい笑みをこぼしながら。

 

 

 

※※※※

続きはこちら↓

#1 第一部 騎士と傭兵の双 ①出会い | 魔石にまつわる最後の決戦 ~続・仮オーブと魔物たち~ - T - pixiv

 

前シリーズの紹介は、こちら。

anridd-abananas.hateblo.jp

 

【シーズン18、スペンサー・リードのカムバック回を予想する】

 

どーも、クリミナル・マインドのファン歴まだ1年足らずのにわかでございます。とはいえシーズン16までは全話視聴、シーズン17は諸事情で一部分とネタバレのみですが、来月には通して観る予定です。

なにしろアメリカでは、本年5月8日から新シーズン放送らしいですからな! すなわちXデーですな!

新シーズン18は、スペンサー・リードのカムバックが話題となっております。

不肖一ファン、ここで彼のカムバック回をガチ予想してみたいと思います。

……なぁに、私の予想など当たったためしはございませんから(※『悪党パーカー』関連諸々を参照)。むしろこのとおりのことは絶対に起こらないという確信を持ってXデーを迎えられる……。

とはいえ、リード君が最後に出演したシーズン15最終回、そこまでのネタバレを避けたい方は、以下を絶対に絶対に読まないでください!!!!

 

 

さて、クリマイファンが待ちに待ったスペンサー・リードのカムバック!

……いや、待っていない。いや、厳密には待っていなかったわけではないが、なんらかのバッドエンドになるくらいだったら出てこなくていい……!と思っておられたファンの方だって、きっといらっしゃったでしょう。

かく言う私も、一部分ではその一人。

しかし今回は、ただのカムバックではない。リードの演者であるマシュー・グレイ・ギュブラー氏御自ら監督でのカムバックです!

こうなればそうそう滅多なことにはならないと思うのです。

また、出演するにはするが、ちょっと顔を出すだけ――という可能性も低いのではないでしょうか。

少なくともギュブラー氏が納得されたうえでのカムバックということでしょう。カムバックしないという選択肢もあったのですから。

スペンサー・リードの物語を再始動することを、ギュブラー氏自ら決断されて、監督も務めるという理解でよろしいのですよね?

ですからきっと、半端なものは来ないと思っております。

 

ご存じ、ギュブラー監督回は、15ものシーズンに渡って何度か製作されております。

ギュブラー氏に限らず、出演者が監督する回は、自分の役の出番を控えめにして、ストーリーを優先することも多いですが、そんな中でもギュブラー氏は、何度かリードのためのシーンを用意してこられました。

例えば、シーズン8のあの悲劇の後は、さすがにリードが気の毒すぎたからか、御自ら救済回を監督されましたよね。

あと、人質の出産を手伝うシーン、ロッシの行きつけのバー最後の日を大盛り上げするシーン等。

リードのシーンではないんですが、私はシーズン12の「エリオットの池」――エミリーのリーダー就任回――の事件のラストが名シーンだと思います。あれは最高です!

 

ともかく、言いたいこととは、ギュブラー監督回は「信頼できる」ということです。一ファンのくせに少々上から目線に読める言い方でしたら、すみません。ですが、異論はないと思うのです。ギュブラー氏はリードをぞんざいに扱うことはしません。

 

ですから、その点は安心しようと思います。というか、たとえなんらかのバッドエンドが来ようと、万が一ファンにとって最悪に思えるものが来ようと(悲観的すぎだろう)、ギュブラー氏が納得したうえでのことならば、受け入れるのが筋だと考えるのです。

 

だから、なにが来ようと、それはもうオーケー。そういう心境でおります。

 

で、そういうことですから、あとはのんきな一ファンらしく、Xデーまで妄想しながら過ごすわけですよ。

いったい我らがスペンサーは、どんなカムバックをしてくれるのか、と。

 

さて、予想いきます。

この自称「リドエミ過激派」、なるべく主観や願望を廃して――いや、そこは多少お許しを(おい)

 

まずは彼が最後に出演したシーズン15から検証していきましょう。

 

シーズン8で、もう恋愛なんてできないレベルのトラウマを負ってしまったリード。シーズン14の最終話では驚きの展開もあり、なおさら先へ進むのをためらうようになった彼ですが、ファイナル・シーズン(予定)だったシーズン15にて、認知症から一時的に正気に戻った母親が、背中を押してくれます。

それからまもなく、「普通の人に見えた」マックスとお付き合いを始めます。

それが、ドラマ設定上、2019年の1月~2月。そしてその数週間後、マックスとの3回目のデートに、宿敵キャット・アダムズが割り込んできます。この時点でも、おそらく2019年3月より後ということはないでしょう。なぜならキャットは、リードとのアイス・スケートデートを希望しています。まだギリ冬である季節の事件だったわけです。

そしてこの3回目の『デートの夜に』の次話が『シュレーディンガーの猫』――エミリーの恋愛回ですが、この回なんといっても印象的なのが、ワシントンDCの桜。満開の桜。つまり、時期は3月下旬から4月でしょう。

 

ところがこの次話であるシリーズ第8話で、時間が一気に飛びます。2019年10月です。

 

そしてプレ最終回である第9話は、2020年1月、(23日という日付も出てくる)

そしてついに、最終回である第10話。リードが退院したのは事件の1ヶ月後だから、最終回のファイナル・シーンは、2020年の2月と思われます。おそらくこの直後、デル……いやルークがペネロープとディナー・デートに行きます。再始動したシーズン16で描かれたとおり。

 

で、で、ここでなにが問題かと言いますと、最終回にリードの恋人マックスが姿を見せないということです。リード入院時にも、1ヶ月後の最後のパーティー時にも。

俳優さんの契約上の都合と言われてしまえば無論それまでですが、マックスはシーズン15に2度も出演しています。最後に出さない理由はないと思うのですが。だってエミリーの恋人のメンドーサはしっかりきっちり最終回の最後まで出ているんですよ?

 

もっと言えば、その前、第8話の2019年10月の時点でも、マックスの気配はない。

 

リード、マックスとまだつき合ってる?

ひょっとして、別れてない……?

 

『デートの夜に』の顛末を見るに、どー考えても別れる理由はないのですが、マックスの気配がなさすぎる。マックスの家、母親は不明ですが、父親は早くも次女の彼氏リードを大歓迎態勢ですし、長女のミシェルなんて、リードを一目見るなり「この子は独身よ」と、マックスでよければどうぞアピールした人。三女エロイーズももちろん好意的でしょう。

こんなに大歓迎態勢の義実家(予定)があり、当人たち同士も良い感じなのに、

なぜ最終回でこのカップルの姿が見えないんでしょうか?

 

シーズン15最終話の時点で、結婚していないのは確定なんです。なぜなら意識不明で入院したリードを前に、JJとペネロープが「家族は母親一人だけ」と医者へ伝えているから。

 

どっかのだれかは「マックスは海外に留学中。転職活動してたし……」との理由をこじづけて、支部様になにかを投げましたが……

 

客観的に見れば、やっぱり別れたのか?

 

そういう疑惑を抱かざるを得ない。

 

(いちばんは、あれです。最終回のリードの夢にマックスが出てこないことと、メイヴの台詞)(ホッチも亡き妻の夢を見た後に恋人と別れたものな......。けどリードに至っては、その走馬灯同然の夢にさえ恋人が出てこない)

 

これがなぜ問題かと言いますと、もちろん、シーズン18でのリードのカムバックに関わらざるを得ないからです。

 

シーズン16でベイリーが言っていたとおりだと仮定すると、リードの不在の理由は「特別任務」。上司であるエミリーも知らない「特別任務」

しかしロッシは、シーズン16で、冗談交じりにせよ、リードに電話してアドバイスをもらおうかと提案しておりました。まったくの音信不通ではないのか。

しかしやはりシーズン16でも、マックスの気配はありません。リードの家族はどうしている等の話もありません。

 

この一ファンとしても、いちばん良いカムバックの形は、リードが何事もなかったかのように笑顔でBAUのオフィスに現れることだと思います。すでにマックスと結婚して、1児の父になっているなどして――。

 

しかし、遺憾ながらどうも、その気配が感じられないのは私だけでしょうか。

 

だいたい上司のエミリーも知らない「特別任務」。妻や子を持っていたとして、ちゃんと会えているんでしょうか? いや、5児の父、マット・シモンズだって「特別任務」だろうって話ですが……。いや、彼の場合は、普通にもっと育休取るべきだし、家族との時間をもっと増やせる負担の少ない仕事ならば、「特別任務」も理に適っているとも思うのですが。

 

たぶん、リードは結婚していない。マックスともなぜか別れてしまっている可能性が高い。

 

そんな気がします。気がするだけで予想をするなって、話ですが。

 

ではでは、不在のおよそ5年間、スペンサー・リードの身になにがあったのか。

 

まず、あのリード君です。BAUから5年も離れていられるような男ではございません。マックスと結婚でもして家庭を持っていないならば、なおさらです。彼の家族とはBAUです。5年も離れていたら、彼はさみしくて死んでしまいかねません。

 

いや、だから、俳優さんの都合だろう。製作陣との契約とかスケジュール調整の問題だろう。

 

無論、そうした(身も蓋もない)背景はあるとしましても、

 

鵜呑みにできますでしょうか。

 

あえて2シーズン、リードを出演させなかった可能性だってあるわけです。あえて、わざと、明確な意図を持って、です。

 

まぁ、それは本当のところ、わかりようがないですが……。

 

そうでなくとも、偶然が思いもかけぬ偶然を呼ぶこともございます。

 

我々はドラマ『相棒』にて、5代目相棒が亀山薫という、とんでもないミラクルを経験してきた者たちです。

 

なにが起こるかわからないのが、長寿ドラマ。

 

ですから、製作云々の事情はさておくとして、ドラマ中のスペンサー・リードという人物になにがあったのか、その点をよく考えてみたいと思います。

 

(本当のところは、ギュブラー監督とスペンサー・リード復帰のニュースがなければ、またどっかのだれかが某支部に投げるつもりの話だった......なんて言ってはいけない……)

 

シーズン18の、カムバック予想。

 

リードは何事もなかったように、帰ってきます。元気に、いたって普通に。それでみんなと再会を大いに喜び合い、新入りタイラー君にちょっとばかし先輩風を吹かせるなどしながら、鮮やかに事件解決に貢献します。

そしてまた「特別任務に戻らないといけないから」と、たちまち姿をくらまします。

エミリーだけが、上司でもあるので、その跡を追いかけます。

 

五年前、2020年2月、リードは「脳の出血」から回復し、退院します。

後遺症がまったくなくこの短期間で......とは、素人ながら少々考えにくい状況でしたが、最後のパーティーのシーンでは、何事もなさげに元気な姿を見せていたリード。

しかし彼が姿を消したのは、この直後だったのでしょう。

 

リードはもしかしたら、エミリーの長官就任が白紙になったことを知ったかもしれません。またもまたも、リードをかばったために……。

 

そして時代はそう、新型コロナの猛威が始まったところ。

ロッシもその最中に、あまりにも悲しい別れに直面しました。

 

リードもまた、相当辛い思いをしたに違いありません。おそらくですが、なんといっても施設にいるお母さんに会えなくなったのでは。電話やオンラインで画面越しの対話は試みたかもしれませんが、決して十分ではなかったはず。そもそもテレビ電話とかしない人でしたし。

コロナ禍で会えないまま、お母さんの認知症はどんどん進行する。そして――考えたくはないですが、施設内の集団感染などで、最悪の事態も――(スー先生が死ぬわけないやろ、アメリカ・ドラマ界最強の女やぞ、というメタ的な信念はちょっと置いておいて)

 

このように、パンデミックがリードにどれほどの苦痛を与えたか、想像を絶するところです。

 

そしてリード自身にもまた、あのシーズン11『エントロピー』で自ら危惧したような、若年性認知症の兆候が……IQ187の天才である頭脳が、少しずつ、少しずつ働かなくなっていくのを感じーー

 

そう、つまり不肖私は、リードが「記憶喪失状態」で戻ってくるのではないかと考えていたのです。

正確には、シーズン15のお母さんがそうであったように、薬を変えた結果、一時的に頭がはっきりとして、正気を取り戻した状態。彼はその隙を見て、BAUに戻ってくる。みんなとのひとときの再会を喜びながら、胸中では最後のお別れをする。この冴えた状態が、一時的であり、あと数日ないし数時間しか持たないことを知っていたので。

 

発症は、2020年のうち。彼は長官とベイリーにだけ症状を告げ、もうすぐなにもわからなくなるという見通しも伝える。エミリーや仲間たちへは絶対に言わないように願いながら、「特別任務」ということにして、身のまわりの始末をする。この時点までマックスと付き合っていたとしても、別れを告げる。

まもなく、施設に入る。お母さんと同じところへと、願ったかもしれない。

 

それから数年後、一時的に正気に戻るものの、事件解決次第、急ぎBAUを去った。

 

しかしそこはドラマ、この「認知症」は実は認知症ではなく、リードの心的外傷による多大なストレスの表れだった。コロナ禍の異様な変化、母親に会えない苦悩、エミリーの女性初長官就任という伝説をつぶしたことへの罪悪感等、諸々のストレスで頭が働かなくなり、もう天才ではなくなっていく自分、だれの役にも立てなくなっていく自分、膨大な知識を失くし、思い出も失くし、愛する人たちのすべてを忘れていく自分――実は一時的ストレスだったはずのものが、病発症への恐怖から負の連鎖を引き起こし、リードは本当になにもわからない「記憶喪失」、「廃人状態」になってしまう。

 

事件解決後、エミリーはひそかに去り行くリードを追いかける。ベイリーがついに最後まで明かさなかった、部下の真実──。

エミリーが見つけたのは、専門施設にて、赤ん坊も同然でぽかんと座っているだけの、かつての天才。最愛の仲間で、部下である男。

泣き崩れるエミリーに、なにもわからない無邪気な笑顔で、彼が笑いかける。

「きみはだれ? どうしてないているの?」

 

…………という、書きながらにして、中々に地獄の展開を想像していたものでした。

 

ええ、ええ、もちろん、大事な話、ここからリードが記憶を取り戻していくまでがセットです。シーズン19か20での展開です。超絶ハッピーエンドですよ!! 

 

だいたいリードはまだ44歳? ギデオンやロッシみたいに50代になってからまたBAUに戻ってきたって、なんも問題ないわけですからね! ロッシやギデオンのポジションで、新たな物語を作り出していったって、いいわけですからね!

 

ギュブラーさんだってわかっているはずでしょう??

 

……と、いうわけで、書いたからにはもう絶対に当たらないただの妄想と化しました。

これも、どっかの支部に投げたあれらたちも、Xデーには木っ端微塵に砕け散ること確定ですから、もう安心して待つのみですな!

 

日本での配信はいつでしょうな? 配信前にネタバレがまわってくるであろうという意味でも、やはりXデーはXデーですな!

 

以上、行き過ぎた妄想を、大変失礼いたしました!

 

.............。

 

 

やっぱり頼む!!! エミリーのためだけに戻ってきてくれ、スペンサー!!!!!(超本音)

 

 

 

……え、あと12年しかないのは、マジでシャレにならんのですが……!

 

2037年のこの日まであと、たったの12年しかないだなんて、そんなバカな……!

 

シリーズ完結どころか、去年のこの日と相も変わらず、4作目を1行も書いていないのですが……。

どどどどどどうしようっっ!!(知るかい)

 

ま、まぁ……まったくなにもしていないわけではないだけ、去年よりはマシ? この怠け者もようやく読書し、調べものを始め、案の定すべての知識がリセットされていることに愕然としつつ、「これだ!」という筋書きが浮かばないまま、うんうんうなる日々……ホントか?(笑)

 

毎年、正月や自分の誕生日などより、この日にこそ1年の振り返りをよくしてしまう傾向にある人生です。

 

去年の3月16日から今年の同日までにしたこと。

 

・悪党パーカーを「告発」し、ニックの生死に関する新説を(今さら)上げる。

・クリミナル・マインドにどハマりし、シーズン16まで全視聴→某所になにかを投げる(約16万字)。

忍たま映画『軍師』をきっかけに、愛が怒涛のごとくカムバックし、原作『落第忍者乱太郎』を全巻読破する。過去映画やミュージカルも配信で観る。

・『ベルサイユのばら』も全巻読破する。

 

…………エンタメ人生エンジョイしまくりじゃないですか、HAHAHAHAHA!!!!

 

で、この次の1年にやりたいこと、すなわち書きたいものが2つありまして。

 

1つは、言わずもがな、古代ローマ歴史フィクションの4作目。

2つ目は、そのう……某所の『リーフ王子のグランベル778』と『仮オーブと魔物たち』の続編……いや、完結編になるものをば……。

 

後者はさておき、前者は、どんなに早くとも本年中の完成は不可能でしょう。

ですが……これまではまずやらなかったことですが、もしも途中まででも書いたら、イベントに参加すると言う形で公開してみようかと、ひっそり考えております。

例えば、第1部のみイベントで無料公開(ダウンロード式)。続きは完成したら、いつものごとく『小説家になろう』様にアップしますよーという形で。

 

基本、出来上がる前に小説をアップするというのはやらない性質なのですが(完結させられるか不安、それに途中で矛盾が生じる展開にならないか心配、等々の理由から)、せっかくですし、人生で一度くらい、イベントに出品する側で参加してみたいじゃないか、と。

 

ほんとは本でも作れたらいいんですけどね~! 本文はあるにしろ、デザイン力がない絵心がないノウハウが一切ない、諸々調べるパワーがない、なによりお金がない(爆)……等の怠惰な理由で、いつになることやら。

 

ある意味、私も年を取り、欲が減退してしまったということなのかもしれませんな。

 

けどまぁ、なんにも書かない年にはなんやかんやならないと思うので、のんびり運営ですが、やっていきますぜ!

 

……ちゃんと12年後、それなりの成果を持って「お墓参り」に行くという、勝手な約束はどうするのか?

 

老け込むにはまだ早いぜ、我!

 

 

 

クリミナル・マインドにハマった私的記念②(ブログ版あとがき)

 

総計15万字になった自称ドラマ語りを書き終えました。

書きたいことは書き尽くしたので、今現在、思い残すことはございません。

 

大っぴらにできることでは決してないですが、今回ばかりはブログ記事形式よりも、このファンフィク形式のほうが合っていたと思っています。

 

前編は抜粋をここに載せましたが、後編はやめておきます。ネタバレ上の理由が一つ。

 

そして、趣味趣向が合わない場合はさておき、あの後編11万字を最後まで読み通してくださる方がもしいらっしゃれば、そのお時間に報いたいと思うからです。

話の構成上、どうしてもあの11万字は区切れませんでした。構成にすべてを込めたようなもので、読み通していただけた場合にはきっとーーと。

私は読者様に甘え過ぎなんですよね〜。

だからコメントやブクマ、いいねはもちろんですが、アクセスいただいただけで大喜びしてしまうわけです。

自分がどんなものを書いたか、たぶん知っているので。

読んでもらえることが奇跡とよくわかっているので。

 

それにしても今回改めて思ったんですが、私ってオールキャラで書くのが好きですよね。

古代ローマものも、登場人物やたら多いですし、

ゲームのプレイ日記もどきも、

ファンフィクションも、

今回のファンフィク形式ドラマ語りも、

これでもかとキャラ登場させまくる。

基本、好きになったら箱推しの者ですから。

けれどやはり、若い頃にドートマンダーと悪党パーカー・シリーズに出会えた影響は大きいと思います。

そして、ファイアーエムブレム! あのキャラたち全員覚えてプレイしたり育てたりするわけですからね!

 

オールキャラになった時の高揚と、

キャラを愛せ。どのキャラも愛せ。そして考えろ。一人一人に物語があり、表があり裏があり、謎がある。愛こそすべてだ、と。

 

ところでさて、今回のファンフィク形式ドラマ語りの目次を以下に。

 

~~【前編】~~

 

1、始まり
2、ウィル
3、リード
4、ホッチ、アラスカ帰り
5、S7-11 天才vs天才
6、続
7、エミリー
8、S-7ラスト
9、桜並木

 

~~【後編】~~

 

10、始まりアゲイン

11、アンダーソン S8-12

12、リード

13、エミリー

14、S9あたり

15、アレックス

16、S10

17、タラ

18、ロッシ

19、ルーク

20、キャット S12-最終話

21、モーガン

22、マット

23、選択 S13

24、JJ S13S14-1

25、朝陽

26、ガルシア、BAU女子会

27、BAU男子会

28、キャット②

29、ベイリー(え?)

30、マックス S15

31、姫、またしても

32、ファイナル 【R×E

33、桜散るまで

34、終わりの言葉

 

レギュラーほぼ全キャラの一人称パートがあります。予定外に動かれたところもありましたが、悔いはないです。構成上は、悔いがないです。

描写面はもっと上手い表現ができれば……ーーという思いはありますが。今回に限らず、いつだって悩ましい。

 

ただドラマの展開をなぞってるようなところもありますが、、、

30」以降くらいからがメインだ。(......いや、「32」だろ......?)

前置きが長すぎるんだ!

 

でも女子会パート、男子会パートも、すごく書きたかった。楽しめました。

 

そこへ行くまでが……いや、どうしても要るんだ。書いてる分には苦ではなかった(読者様のことは……?)

タラとかマットのパートあたりから、こう、予定外に転がりだした気が……

 

 

最後に、言わせてください。ようやっと言えます。

 

「言えば終わり」だと某後編でだれかが言っていた気がしますが、書ききるまで私は黙っていました。

 

 

やっと言えます。

 

 

……後編あとがきで言い訳していますが、当初はまったく思ってもみなかった。

 

まさか推しCPができるとは……

 

(しかもノーマル……

 

公式じゃないからこそーーマイナーかもしれず同志が見つけ難いからこそーーオタクの生き甲斐になるというもの。

 

……いや、そんなことはないかもしれませんが。間違いなく公式の描写のせいで私がこうなったんですから。(むしろ公式しか知らないだろ)

 

だからこそ書くんだ。15万字も。

 

じゃ、言いますぞ!

 

 

リドエミ

最高!!!!!!!!

 

 

(こっちの妄想なので)結ばれなくていいから、どっちも幸せになってくれ!!!!

 

 

 

……さて、これでひと区切りつきました。

 

次は何を書こうかな……(現在、何がとは言わず、別シリーズ二択)

 

 

ともかく、今年を象徴するエンタメとの出会いでした。

 

今後は『リドエミ過激派』としてひっそり生きます。

 

そして、シーズン17の視聴を開始しつつ、ギュブラー兄さんの新ドラマを待ちます。(だからっ、わたくしっ、ギュブラー氏よりいくらか年下だってばっ!謎の弁明)

 

 

【前編】↓

#クリミナル・マインド #スペンサー・リード How much I love──【前編】 - TODO- - pixiv

【後編】↓

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=23376399

 

 

クリミナル・マインドにハマった私的記念①(古代ローマネタ)

 

某所にアップした、クリミナル・マインドのファンフィクション……いや、私的妄想のドラマ語りの抜粋です。古代ローマの(だいぶテキトーな)ネタで。クリマイ風に言うと、私の署名的行動とも言う(自白)(は?)

 

すみません、私だけが趣味で盛り上がってもしょうがないので、人物リストをば

アーロン・ホッチナー(ホッチ)

デイヴィッド・ロッシ

ジェニファー・ジャロウ(JJ

デレク・モーガン

エミリー・プレンティス

ペネロープ・ガルシア

スペンサー・リード

(シーズン5)

 

いずれブログではブログで、いつもの調子で語りまくりたいとは思っております。

しかしながら今回は、この形式がいちばん書きたいことを惜しみなく書けそうな気がしました。いつもながら自己満誰得好き勝手をご容赦いただける方のみ、どうぞ。。。

 

 

 

 

 

4、

 

 

「と、いうわけで、この写真をギデオンに送信してみようと思うんだが、どうなるかな?」

 と、それを見せられたのは、アラスカ帰りのジェット機の中。リードだけがソファーを占領して眠っている。

「殺されます」と、ぼくは忠告した。「それに、ギデオンはメールアドレスを持っていないと思います」

「なんだと? それで今の時代をどう生きていくというんだ? 局員年金の手続きとか色々あるだろう?」

「全部郵送しているはずです。受取人のサインがもらえなくて、担当者が困り果てているようですが」

「厄介な男だなぁ、つくづく……

 と、デイヴは頭を抱えるふりをする。

「仕方がない。帰ったらプリントアウトして、郵送してやろう」

「デイヴ、なんだってそんな誤解を招く画像を残したんですか」

 テーブルを挟んで向かい側へ、ぼくは呆れ顔を向けているつもりだ。相手は飄然と肩をすくめるのだが。

「こうでもすれば、怒り狂ったあいつが、どっかからついに姿を見せるんじゃないかと思って」

「あなたを殺しに」

「上等だ。喜んで返り討ちにしてやろう、俺の豪邸で」

「だからデイヴ、どうせその尻拭いをするのはぼくなんですから、こういう冗談で騒ぎを起こさないでください」

「アーロン、ここは君もユーモアを解する心を目覚めさせてだな……

「リードの名誉のためにも、笑うわけにはいきません」

「ということは、笑いたいんだな?」

 それで、ぼくはひっそり口の端を上げたかもしれなかった。

 デイヴの隣はJJで、すでにぼくと同じ呆れ顔。ぼくの隣はプレンティス。背もたれの後ろからはモーガンとガルシアがひょっこり顔を出している。三人は興味津々でデイヴの携帯電話の画面を覗き込む。

 このとおり今回は、ガルシアも含めBAU総出の出張だった。しかもアラスカまで。

「なんだ、なんだ?」と、眉をしかめながら、モーガンがさらに身を乗り出してくる。

「現代によみがえりしハドリアヌスとアンティノーに見えるか?」

 と、デイヴが自称しはじめるので、ぼくは急ぎ携帯電話を伏せる。

「なんでもない」

 デイヴは知らないのだが、モーガンにこの種の冗談はまったく良くない。

「あーあ、あたしとモーガンも熱い夜の思い出を残したかったのにぃ」

 と、知ってか知らずか、ガルシアがわずかに話をずらす。同じ夜、シリアル・キラーがガルシアの安眠をめちゃくちゃにしたのだった。

「リードが起きていたら、すかさずパンテオンの成り立ちを講義してくれたでしょうね」

 と、プレンティスが微笑し、ぐっすり眠ったきりの天才博士を一瞥する。話題はローマ皇帝の情愛から業績へとまたずれていく。

「そうそう! 古代ローマと言えば一時期、エミリーがFBIクレオパトラってささやかれたことがあったよね?」

 と、思い出したふうなのがJJ。これで完全に話題が逸れる。

 いや、そんな話、ぼくは知らないが。

「えっ、そうなの?」と、当人も。

「うん。あなたが来たばかりのころ、他部署の人たちが話してた」とJJ。

 ……いや、君とかガルシアが流した噂じゃないよな? クレオパトラはローマ人ではなくエジプトの女王だが、アラビア語やロシア語といった多言語を巧みに使うプレンティスの能力が、かの人の伝説と結びつけられたのだろう。

 リードならばクレオパトラエジプト人ではなくギリシア人だ、あの黒髪を切り揃えた髪型も実はカツラなんだと、大声で解説を始めそうだ。眠っていてくれてよかった。

「おっと、そりゃ大変。エミリーがクレオパトラときちゃ、歴史が変わっちまうぜ。となると俺は、さしずめマルクス・アントニウスってところか」

 と、ウインクするモーガン。あの写真への興味を忘れてくれたようで幸いだ。

 いや、しかし、BAUの切り込み隊長二人でアクティウムの海戦とか、やめてほしいんだが……

「ちょっとデレク! なにそれ浮気? どう考えてもあたしがあなたの妻で、魔性の女王でしょ!」

 と、やっぱりそこは譲らないガルシア。

「なに? あたしじゃ例のクレオパトラの鼻が低かったらの話が仮定法じゃなくなっちゃうって言うの? 失礼よ! あたしだって魔女だしコンピューター・プログラミング言語をいくつだって自在に操るし、なによりだれよりあなたを愛してる!」

「ベイビー、俺の可愛いクッション、もちろん、そんなことはわかってるよ。けどお前は、どう転んだって地中海で戦争起こすような女じゃねぇだろ。だれより優しい、平和主義者だ」

「失礼ね。じゃあつまり、私はその反対ってことでしょ」と、すかさずプレンティス。しかしにやにや笑っている。

「少なくとも俺はお前を敵にまわすような馬鹿な真似はしないってこと」と、モーガンもにやりと笑い返す。「これでアクティウムの海戦は勝利確定。歴史改変。ところで、相手の大将オクタヴィアヌスはだれだ? やっぱりリードか?」

「リードが適任だろう」と、しれっとハドリアヌスもどきがうなずく。「頭は良いが、戦にはてんで弱い、奇跡のイケメンときた」

「でもなぜか女にモテないってとこも合ってるな」と、モーガンも笑いながらうなずく。「もうリードの前世でしょ、初代ローマ皇帝

「でも、スペンスには共和政と見せかけた帝政なんて無理だと思う」と、これはリードのママ役、JJの意見。「嘘が下手なんだもん、ほんと。政治なんてできっこないよ」

「そこは有能な右腕と左腕でカバーしてあげないと」と、プレンティスがきらりと目を光らせる。「そうなると、だれがアグリッパで、マエケナスになるの? モーガンと私の世界征服を邪魔するの?」

……俺がやるしかないだろう」と、ぼくはため息交じりに参戦してしまう。「気の進まない仕事だが、モーガン&プレンティス帝国なんて阻止するしかないからな」

「おおっ、そうこなくっちゃ!」と、目を光らせるモーガン。パキパキと指を鳴らす仕草までする。「相手にとって不足なしだ。リード一人じゃ、俺たちただのいじめっ子だからな」

「アーロンはアグリッパのイメージじゃないが、まぁ、戦いで最も有能という点では適任だな」と、また真面目くさった顔でうなずくハドリアヌスもどき。「これから海戦だというのに、『FBI海の似合わない男』ツートップが並んでしまったが」

 これでいったい何を想像したのか、モーガン、ガルシア、プレンティス、JJの四人はしばし笑いこけた。

 ……いや、ぼくだって、ジャック(一人息子)を海水浴に連れていくくらいはするぞ。時間があれば。

「ロッシ! そう言うあなたはどうするの? ハドリアヌス時代はまだずっと先よ?」と、ガルシア。

「俺か?」決まっているだろうとばかりに、驚いてみせるデイヴ。「俺は当然ユリウス・カエサルだ」

「もう死んでるでしょ!」

「かまわんさ。あの世から君らを高みの見物だ。どこの編集者にもせかされずに『ガリア戦記』と『内乱記』を書き上げたあとだしな」

「さすがベストセラー作家!」と、プレンティスが笑う。「オクタヴィアヌスが燃やしたっていう残りの著作も、リードなら絶対残しておいてくれますよ。本を大事にする子だから」

「おまけに大勢のガールフレンドへのラブレターも」と、JJも意味ありげににっこりする。「そういえば、ユリウス・カエサルも三回結婚してませんでしたっけ?」

「もうっ、ロッシ! 次あたしんとこの劇団が『ジュリアス・シーザー』を上演する時は、絶対出演ね!」と、ガルシア。先日ぼくがうっかり口を滑らせたために明るみに出てしまった、彼女のプライベートの一つだ。

「それは遠慮させてもらおう。シーザーは殺されるだけだから。ところでペネロープはどうするんだ? マエケナスをやるか? オクタヴィアヌス・リードとアグリッパ・ホッチが戦に出ているあいだ、首都ローマからバックアップだ」

「いーえ、マエケナスはJJに任せる! ローマ帝国の渉外担当でしょ。あたしはオクタヴィアになるの! 平和を愛するオクタヴィアヌスの姉、つまり、リードのお姉ちゃん!」

「そこはJJじゃないのか? ローマ貴婦人の象徴としちゃ、君はそのう……カラフルすぎないか?」

 ぼくもガルシアは好きだが、彼女をローマ婦人の美徳の象徴──すなわち全国の女性の模範としてお出しするのはどうだろう……。彼女の良さだって翳ってしまわないか。マエケナスのほうなら奇抜な服装をしていたという逸話があるから、ガルシアでも問題な──いや、失礼。

「もしもしぃ~~? このガルシア様が大人しく貴婦人の皮なんてかぶってると思いますかぁ~~?」と、にんまりするBAUの魔女。「忘れちゃ困りますよ? オクタヴィアはアントニウスの妻ですからね! 元がついても妻ですからね! というわけで、弟と夫の仲を取り持つため、平和の使者としてゴー・トゥー・オリエント! そしてそのまま愛しのチョコレート・サンダーの腕に飛び込んで、めでたくゴールインのハッピー・エンドよ!」

「さすがだぜ、ベイビー! それでこそ俺の女王!」

「歴史どおりにあたしを追い返したら、サイバー攻撃で地獄に叩き落としてやるからね!」

「そんなことするわけねぇじゃん、俺の可愛い子ちゃん! 一生愛してるぜ!」

「ちょっと、ちょっと、それじゃあ私の国は、モーガン=ガルシア王朝になるのかしら?」

 と、プレンティスももう苦笑するばかりのようだ。

「ともかく、これで構図が決まったな」と、デイヴ。諸悪の根源。「クイーン・クレオパトラ・プレンティス陣営対イケメン・オクタヴィアヌス・リード陣営。別名、両手に華のモーガン対スペンサーぼうやとそのパパとママ」

「うおっ、こりゃ、絶対負けらんねぇ!」と、モーガン

「負けるもんですか」

「絶対勝利確定~~!」

 と、プレンティスとガルシアが続く。

 ぼくも口を開いた。「いい度胸だ。いつでも来い」

「へぇ、ホッチ? 意外とやる気じゃねぇか」

「俺にリードとJJがいるんだ。まったく負ける気がしない」

「すっかり大将の座を奪ってますよ」と、JJが口を挟む。それからすやすや眠り姫のままのリードをそっと見やる。「まぁ、当然そうなるでしょうけど。ところで、私ことマエケナスは歴史上戦場には出向かないので、戦力がちょっと心もとないですよね? ロッシの手紙で、ギデオンを呼ぶことにします? やっぱり?」

 ……あれ、JJ? もしかしなくとも君が、この不毛な会話を誘導している?

「ギデオンはだれの役?」と、さらにうきうきするガルシア。「彼もユリウス・カエサルがいいんじゃない?」

「いいや、ギデオンは天才だが、カエサルのタイプじゃない」と、デイヴ。「ドラマ・RMAの陰気なカエサルなら別だが」

 やめてくださいって、そういう困る話。

 デイヴはなおしれっと続ける。「ギデオンはティベリウスがいいと思うぞ。二代目ローマ皇帝ロードス島カプリ島に隠棲した、すでにして史上最強の引きこもりだ」

「ちょっと待って! ティベリウスってオクタヴィアヌスの継息子でしょ!」と、ガルシアが叫ぶ。「つまり、ギデオンがリードの子どもってことに……!」

「まぁ、細かいことは気にするな」

「とてつもなくデカい問題でしょうが!」

 偽オクタヴィア、アントニウスマエケナス、そしてクレオパトラがたまらず笑い交じりに叫ぶのだった。

 その時、スーツの内ポケットで、ぼくの携帯電話が震え出した。すぐに席を立った。

「はい──」

 そもそも、例の疑惑の写真が撮られた経緯は、アラスカでの宿泊問題にあった。BAU七人に対し、四部屋しか用意されなかったのだ。するとさっそくモーガンが「リードと相部屋は御免」と言い出した。それでガルシアがモーガンと相部屋になることを表明した。恋人ケヴィンがいるのに大丈夫だったのか。モーガンが床に寝るにしろなんにせよ。ともかく、そうなるとJJとプレンティスが当然同部屋。残りは三人。

 最初、ぼくがリードと同室になるつもりだった。別にリードが一人部屋でもよかったのだが、わざわざ七人中一人だけ一人部屋に入れられては、あいつは泣くかもしれない。同室で眠るまでツンドラ地帯の統計データについてしゃべられても困るが、仲間外れにされたと拗ねられては、あとでもっと困った事態になりそうだった。ついでに、リードは少し前に撃たれた足がまだ完治していなかったので、ぼくが床に眠るつもりだった。

 デイヴがあいつと同室でかまわないと言い出したのは意外だった。世界最古の凍死体についての講義を聞いて一夜を過ごしたがる人だとは思われなかった。

 だが、こういう悪企み……いや、冗談を思いついただけだったのだ。

 結局その夜は、新たな殺人の発生で、全員ろくに眠る間もなかったのだが。

 今は事件を無事解決し、無駄話をしながらようやく心身を休めようとするところだった。……ところだったのに──。

 通話を終え、ぼくはチームへ振り返った。

「みんな、いいか」

 ぼくのその一声で、全員が気色を変えた。一瞬にしてプロの捜査官の顔に戻るのだった。リードをさえ、モーガンの腕が揺すり起こすのだった。優しくなくはなく。

「頼むから、ハワイだと言ってくれ」デイヴが言った。

 ぼくは首を振った。「通常任務ではないが、人身売買特捜班から支援要請が来た。ケンタッキー州に寄り道する。詳しい資料はガルシアのPCに送られている。着いたら、モーガンとプレンティスは犯行グループの元アジトへ、デイヴとリードは病院で被害者と面談、JJと俺は支局へ行って各所と連携、マスコミ対応だ。ガルシアも俺たちと来い」

 永遠不変のものはない。それでもぼくは、戦い続けることを選んだ。このFBI最優秀のユニットと。かけがえのない家族と。一日でも長く。

 永遠不変が叶わないのならば、せめて守りたかった。

 だからぼくは、このチームのリーダーであり続けた。

 

 

 

 

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