A.Banana.S

古代ローマ、NACSさん、ドートマンダーにパーカー、西武ライオンズ、FEプレイ日記(似非)・・・好きなことをぽつぽつと。

2023年の亀映画感想(タートルズを観てきました)

さて本年10月、気づいたら久しぶりに亀映画が公開されており、慌てて駆け込みました。

もはや30年にもなるつき合いとは……。

 

(※以下、ネタバレ全開注意!)

 

 

ノー事前情報で行きました。

 

 

 

まずは簡単に結論:

 時代を感じた。作品の面白さで言えば、2008年版と、テクノドロームを出して例のテーマソングも流した2016版(?)が、やはり強い。とはいえ、見どころは色々!

 

 

タートルズのキャラ造形は、2016版を継いでいます。つまり、ラファエロはやはりタフガイ路線。ただし、今回はさほどあからさまでなく、バレないといえばバレない。体格差がなければ。で、やはりミケランジェロがいちばん小柄。

思うのですが、体格差は出さなくてよくないですか? いや、彼らおそらく四つ子ですよね? NYの地下で同じ物を食べて育ち、その中で今作でもいちばんの「食いしん坊」認定されているマイキーが、いちばん小柄になるはずがないと思うのですが……。マイキー、ちゃんと食べてる? お兄ちゃんたちに実はピザ食べられちゃってる? むしろぽっちゃり系くらいでいい、いちばん大柄でさえいいと、個人的には思うよ。

 

冒頭、いきなり「バクスター」博士の登場からで、テンション大いに上がりました。で、byousatu^_−☆は気の毒でした。

 

が、、、

 

私のような30年のつき合いのファンにしてみれば、「今さら最初っからやらんでもいいよ……」、つまり亀からミュータントになってエイプリルと出会って云々から始めなくてもいいよ、という気持ちになりました。

しかし、時は平日夕方、映画館にはちびっ子たちも訪れておりました。そう、この子たちを観客とするのなら、最初から物語を始めねばなるまい、というか、この子たちのための作品なのだと、思い直し、反省した次第。……今はアニメ放送しているわけでもない、お父さんお母さんがタートルズを観ていた世代なんでしょうなぁ……(遠い目)

しかしこちとらは、いつぞや説明もなく、エイプリルが最前線でバトルしていても受け入れてきた戦歴があるのじゃ。ところが今回のエイプリルときたら、時代に合わせてというわけか、別の側面から驚かせてくれました。

 

亀四人衆の登場シーン。「世界一のヒーロー」、さっそく泥棒。……いや、確かに彼らの生計手段は長年の謎だったけども。

もうドートマンダー一味でしょ。コソ泥だけど。レオ=ドートマンダー、ドナ=スタン・マーチ、ラファ=タイニー、マイキー=ケルプでいいですよ、コレ。あれくらい許されている感じなのが、ニューヨークってかい。現在の治安を思わせる……とは考えすぎか。

まぁ……ニューヨークとは、悪党争いもですが、ヒーロー争いも世界一熾烈ですからね! いつ、アベンジャーズに挑もうか?(えっ)

 

今回、最大の衝撃だったのが、スプリンターの設定の大幅改変。これはTMNTの根本に関わる大変革。スプリンター先生って、日本人か日系人でしたよね? で、自身も武術の達人で、だからタートルズの師匠=「先生」となった。これを改変しては、もう「ニンジャ」を名乗れなくならない?? そんな、現代らしく動画を見ながら子どもらと一緒に武術を覚えるとか、どこかの上田教授じゃないんだから、限度がありますって……! 強さの説得力が弱まってしまうよ。

 

そのせいか、今回のタートルズは、あまり強い感じじゃない。初期設定でデビュー戦から描いたのだから、それはそうだろうとも思われますが……。

大丈夫? 終わり方が、もう次作も製作するという意図を出していましたが、シュレッダーに勝てなくない? 

四人の中で、突出した強キャラがいないんですよね。昔はなんやかんやレオナルドが決めていた印象です。イメチェン(?)後は、ラファエロが強化されました。ドナテロは常にチート級の天才で、かつ2016年版では武力でも魅せる活躍ぶりでした。

今回は、時代を反映してか、バトル要素にかなり配慮が見られます。確かに、現実で戦争の悲惨さが伝えられる世の中、喧嘩など嫌だ、融和と共生、多様性の時代であれ、との思いもわかります。

テーマは、かつての「新しき陽気なヒーロー」→「レオとラファの対立を軸とした家族愛」ないし「ヒーローとはなにか?」→「種の共存と多様性」と移り変わっているように見受けられます。世はまさにダイバーシティ時代。

ただ、対決や戦闘を控え目にした場合、最近公開のワンピースやスーパーマリオ、それに名探偵コナンのバトルシーン(!)と比較されてもの足りなくならざる得ないよなぁ、と(オマエ、イイ年してどんだけ観にいっとるんや……笑)。過去のタートルズ映画と比較しても然りで。

 

スプリンターが、「先生」と呼ばれたのは最初のたぶん一回だけ、あとは全部「父さん」

確かに、この筋書きでいけば、「先生」より「父さん」が自然です。過去作では「父上」時代もありましたが、あれはあれでレオナルド一人にプレッシャーかかりすぎてましたからね。

で、「先生」から「父さん」になり、厳格さも薄まり、だいぶ人間臭い感じになりまして。挙句、まさかのとんでもない継母候補を連れてきて、息子全員に拒否られる。父さんとカノジョのイチャイチャに、容赦ないぜ、息子たち……! いや、あればっかりはしかたない。わたくしめも同意見ですわ……。

息子どもが四人(四匹、いや四体?)もいるのに、全員そろって捕まるせいで、こんないくらか丸くなった父さんでも大暴れにいく羽目に。タートルズ、仲良すぎ。もっとリスク分散して。昔はドナテロだけ残すとかなんとかしてたですやん。味方あと父さんしかいないのに、あんなに働かせないで。

 

次の驚きは、エイプリルの設定改変でしたね。なんと女子高生。わかりやすい白人美女でもない。スレンダーな体型でもなく、むしろどちらかといえばずんぐり系。そして……まさかの神楽ちゃん(ゲ○イン)ぶりに、申し訳ないが、いちばん笑ってしまった。笑っちゃいけない気もしましたが。

年上のお姉さん路線から、途端に同世代、クラスメイト路線に……! これもまた思いきりましたな。スプリンターといい、続編どうするんでしょうか。改変にしたがって、タートルズもまた、これまでと同様の成長を遂げることはないと思われました。

 

捕まっても深刻にならず、軽口を叩き合う亀兄弟。実は冒頭の登場シーンから、ノリがかなり初期アニメに近いと感じられました。軽め。にぎやか。ピンチだろうが急務だろうが相変わらずのんきにおしゃべりしているあたり、まさに初期。感動を覚えました……!

これは、レオとラファが、久々に喧嘩しなかったのもありましたね。あのあたりをピークに、思えばシリアスすぎた。

近年になく、仲が良い! そして過去イチくらいに、ティーンエイジャーしてました。スマホ持ってごろ寝。家にWiFiあるとか言ってた、笑。現代っ子な亀たち。

やはりだれかとだれかが喧嘩しはじめたのが、事の発端だったか……。

これはもしや……と、思いましたが、やはりラファエロはタフガイ路線でした。2008年版はギリ体格は全員同じしたが、以降はラファがいちばんゴツい大柄で続いています。

 

しかし2008年版は、体格同じだからこそ、際立ったんだよなぁ……! あの対決が!

 

ともかく、体格差さえなければ、ほぼ戻ったか、少なくともバレないラファエロでした。それくらい今回は、仲良くしていました。マイキーに、たぶんアンガーマネジメント的な「カウンセリングに行け」と言われていましたが……。

 

あと、ドナテロが、今回めずらしくチート天才路線を控えておりました。初期設定だからか、メカに強い……どころかただのマンガオタクになってないか……? 解釈一致すぎるメガネ着用は、とうとうやってきたか……と思いました。常時かけてましたわ、2023になって。

進撃の巨人』より『ONE PIECE』を参考にしたほうがいいよ、ドナ。今回のような場合はさ。

これまでのドナは、役に立ちすぎるマシンやポータブル機器を平然と開発し、空飛ぶ乗り物も操縦し、常に逆転の一手を握るチート。四兄弟、一人だけIQ違くない……?というほどに。

それが今回は、もう弱体化としか言えない。可愛さは増したが、タートルズ全体の戦力ダウンにつながってしまっている。車の運転は(無免許&初運転だろうに)さすがに上手いが、専用の空飛ぶ乗り物さえ飛ばしていたしなぁ、旧アニメ時代は……

(……ドナとマイキーの声優さん、入れ替えたほうが合っていたのでは……)

 

レベル1から始めた分、どうしても個の力が弱い。

とはいえ、強くなりすぎると、ラファが反抗期に入り、2008年版に突入する。(えっ)

 

たとえば、シティーハンターの映画などでもよく語られますが、「これでいいんだよ」というタートルズとは、個人的になんだろうか、と観ながら考えておりました。

もう、ファンフィクションでも書けば、我……?(やめなさい)

シティーハンターだったら、必ずゲワイ(Get Wild)を流す。ならば、タートルズもあのテーマを流してくれれば、ひとまずそれだけで喜ぶ単純な懐古主義ファンの私(今回は流れませんでした。やはりまだあのテーマで歌われる域のヒーローに、今作タートルズが達していないためでもあろうと思います)。テーマソングを流すほどの盛り上がりまで、あと一歩。

今回、ノリは初期にかなり近かった。

あと一歩、ラファの性格をゆるめに戻し、マイキーの体格を戻し、ドナを天才にし、個々の見せ場を作れば、これでいいんだよ、になると思う。で、レオには最後スカッと決めてほしい。ルフィみたいに。

そのうえで、仲間をたくさん増やせばいい。オールスター系のワンピース映画みたいに。

……ああ、このニ、三年で、ワンピースを読んだり観たりしたことが、少なからず私のアニメ系エンタメを見る目に影響しているようです。

 

2008年版は、最後にレオに挽回させれば、1億点だった……! ラファは大好きですが、持っていきすぎました。

でも、今作のラファもみんなも、もっとカッコよく描いていい。レベル1だからしかたないけど、カッコいいからこそ、やはりヒーロー! かつてオープニングでピザ食ってただけのやつだって、同じOPのラストカットやエンディングは惚れるほどカッコよかったですもの……!

 

で、私、シュレッダーには銭形警部的なものを求めてるんでしょうね。いや、とっつあんは正義側の人間だと承知のうえで。手ごわい宿敵だけど憎めないと言いますか、2割くらいドジ要素があってほしいと言いますか。2016年版は強すぎ&怖すぎと思いましたもん、シュレッダーの旦那。まぁ、以上全部、懐古ファンの勝手な願望ですけれども。

 

そんな感じの今年の亀映画でした。

 

実のところ、旧アニメばかりにこだわっておりますが、本当の原作やその他背景は、まったく知らないままです。知らなくてもいいし、いずれ我が幼い日の思い出は永遠だと思っております。小学校低学年女児がリッパなオバチャンにまでなろうと、亀さんらは世界一のヒーローであり続けるでしょう。

 

次作が公開されたときも、私は何歳だろうと必ず劇場へ行き、またぶつぶつと勝手な感想をつぶやくことでしょう。

もし万一ファンフィクを書きはじめるなどしましたら、あ、とうとう末期になったと思ってやってください(※予定はございません。無理でしょう)

 

 

ティーンエイジャー亀の過去記事はこちら。我が過疎ブログの中でも人気記事らしい。

2008と2014版↓

2016版↓

 

X(ツイッター)に、こんなつぶやきもしました。テニプリティーンエイジャーの宝庫(どう見てもティーンエイジャーじゃない人が少なからずいようとも).....なのにドナだけは置き換え妄想できなかったという話。

https://twitter.com/Anridd3rd/status/1711384010386227585

 

あと、これはおこがましくオマージュした拙著某箇所。

 

......思えばルッキー(ルキリウス)、たたき台はケルプとどこかの記事で書いた気がしますが、わりとかなりラファも意識されてますね。クールで皮肉屋だった初期の......ははは(汗)