A.Banana.S

古代ローマ、NACSさん、ドートマンダーにパーカー、西武ライオンズ、FEプレイ日記(似非)・・・好きなことをぽつぽつと。

【再改定版】『Dirty Money』の謎を【検証1】

 

(※以下、悪党パーカー・シリーズ(著者リチャード・スターク氏)の、未翻訳作の話です。ネタバレを避けたい方は、決して読まないでください

 

【検証①:私の見落としと、残る『Dirty Money』の謎】

 

ええ、なぜだれも、私がドジで不注意で感情優先主義で、英文をまともに読めないおバカさんだと教えてくれなかったんでしょうか。5年も!

 

……いや、失礼。(知ったことかって話)

 

大変ご無沙汰しておりました。

 

さて、このところまぬけ私は、

「悪党パーカー・シリーズ」の、

『Nobody Runs Forever』20周年、

『殺戮の月』50周年、

『襲撃』60周年

そして「ドートマンダー・シリーズ」の、

『The Road To Ruin』20周年

『ジミー・ザ・キッド』50周年

 

を一人祝うべく、読み直しをするなどしておりました。(※ほんとにマジでただ一人で読書を楽しんでいただけ)

その結果、重大な見落としをしていた事実をここに白状しなければなりません。先に申します。誠に申し訳ございませんでした!

どのくらい重大な見落としかというと、某所に上げた駄文『哀歌』『アフターワールド』『ラスト・デイズ』『ダーティー・ゴールド』『ライン』を全撤回せねばならないレベル。

TODO-A - pixiv

#悪党パーカー 哀歌 - TODO-Aの小説 - pixiv

#悪党パーカー ラスト・デイズ(哀歌その後②) - TODO-Aの小説 - pixiv

どんなに甘く見ても『ラスト・デイズ』以降は全撤回せねばなるまい。

……いや、あれは断っているように、ファンフィクションであり、妄想の産物であり、こんなキャラが出てきてこうだったらいいのにという欲望をあますところなく詰め込んだ駄文ですから、そのとおりのことが本筋であったなんて思っていない。そりゃ思ってない。とくに『ラスト・デイズ』以降は弁解の余地もない妄想であり、夢。それは重々承知。

それでもできるだけ辻褄を合わせて書きました。『Dirty Money』の時系列に沿うように。

ところが今、読み直しした結果、ありえない見落としをしていることがわかりました。

正直に言えば、まだ見落としがあるかもしれない。どうしても解けない謎が残っていて、いくら考えてもまだ答えが出せないでいます。

それをこれから書いていきます。全検証の終わりには、一応の答えも出すには出します。

それでもしも、もしも『Nobody Runs Forever』と『Dirty Money』を読んでいる方がいらっしゃるなら、できればご意見を聞かせていただきたい。助けていただきたい。

覚悟はできているつもりです。自分がバカだという現実と、「生存説」が否定される現実に。

……ただし、実は、私はなお「生存説」にすがっている。理由はおいおい書いていきます。

 

さて、では、はじめます。

 

上に述べたとおり、私は「悪党パーカー&ドートマンダー・シリーズ」一人祭りを目論みました。その過程で色々思うところをまとめて新しい記事を書いたり、過去記事をリライトしようと思っていました。

けれどもどうしても、最終的に行きつくところはこの問題の解釈・解明に向かってしまうわけです。

すなわち、『Nobody Runs Forever』『Ask The Parrot』『Dirty Money』という、「マサチューセッツ3部作」の謎に。

スターク氏も、「『Dirty~』でマサチューセッツ三部作は終わり」との言葉で、一連の事件を締めくくっておられました。

さて、私はこの件に関して、5年ほど前(2019)から一人「許さん! あのバズーカ運転手!」と、骨の髄までの恨みつらみをぶちまけつつ、とある「仮説」を打ち上げておりました。その結果の妄想ファンフィク『哀歌』ほかを某所にアップしました。

#悪党パーカー 長い『哀歌』のあとがきと、主に『Dirty Money』の話。 - TODO-Aの小説 - pixiv

実は率直なところ、当時の私は、この仮説で自己満足に浸るあまり、だれかに反証されることを恐れておりました。「いや、それはアンタの読み違いだ。あれはどう考えても死んだ。その証拠は──」と。

自分でもなんでここまでこの男にこだわるのかわかりませんが(この男だけではないのだが)、生存の望みを妄想していたほうが、とてつもなく幸せだったからです。

……なにしろ11年も死んだものと思っていた。それが突然帰ってきたのだから、この一読者のところに。

この喜びと幸せに浸っていたいがために、私はまたしても目を閉じていました。この11年前、2008年の『Dirty~』初読みの時と同じ。あのときはショックと悲しみとやり場のない怒りのために目を閉じたのですが、2019年以降は歓喜と興奮のために目を閉じました。

けれども今、5年が経って『Nobody~』と『殺戮の月』の節目の年にもう一度読み直した結果、

重大な見落としと、新しい謎に気づきました。

ほかの読者の皆さん、とりわけ現地アメリカの愛読者は、気づいていないわけがない。少なくともだれかは気づいているはず。

私がバカなのか、それともまだ見落としがあるのか、あるいはただの考えすぎか……。

2019年よりも冷静である気はしていますので、できるだけ感情を廃して、再検討していきたいと思います。

 

究極の問いとはやはり

「ニック・ダリーシアは本当に死んだのか?」

 

2008年初読み時の私「死亡。パーカーが殺したんだ…。ひ、ひどい……。冷酷無慈悲すぎる……」

2019年再読の私「ガチのマジでこれ生きてんじゃないですかぁあああああっっ!!!」

 

2019年の私が「生存説」を作り上げた理由は二つで、某『哀歌』の長いあとがきでも説明しています。

すなわち、

①ロフトに残された箱の数

②身分証代20万ドルの出所

 

この①②に修正を加えます。

詳しく、①「ロフトに残された現金入り4箱+カモフラージュ讃美歌集の箱複数が、ニックの死体発見時に現金入り3箱のみに変化」

→→これを読み直した結果、「死体発見時、ロフトではなく床(1階、ドア付近)に現金入り3箱」

②身分証代について、偽造屋ロビンズは「20万ドル前払い」ではなく「約20万ドル中、半分を前払い(約10万)」するように言っていた。

 

②の前払いが10万で良かった点が、今回気づいた重要な見落としの一つです。これで私がかつて上げた「ロフトから消えた1箱が、20万ドル前払いの一部に使われた。実はパーカーとニックの二人分だった(各自10万)。だからパーカーは『州北部で得た金(約10万、『Ask The Parrot』)の半分以上を使った」という説は、大きく揺らぎます。

 

揺らぎますが、実は崩れていません。

『ラスト・デイズ』はまぁ、おそらく撤回ものですが、まだ崩れていません。……なんか切実にお祈りしている気がしなくもないですが。

なぜなら依然、箱が1つ消えた謎──しかも場所がロフトから床へ移動していた謎と、法外な身分証代20万ドルという謎は残るからです。そして追加の謎もあります。

 

まとめますと、『Dirty Money』の謎とは、

①教会に残された箱の数と位置

②身分証代20万ドルの出所

③パーカーが運んだ謎のa Hefty bag

④10月から11月に飛ぶ問題

 

③と④がこのたび新たにバカな私が加えた謎ですが、③はあとで説明するとして、④がどうあっても解ける気がしません。

まずは④のなにが謎なのか示すために、『Nobody~』から『Dirty~』の時系列をここにまとめさせてください。

(※大いなるネタバレです。ご注意を)

 

④なぜそこで11月になるのか?

 

簡単に言うと、『Dirty~』のある場面で、途端に時間が11月に飛んでしまうのです。

 

『Nobody Runs~』で、現金輸送車強奪が決行されたのは「10月4日」です。銀行責任者がそう述べるし、ニックの仲介人がFAXで寄越した日付も10月4日。輸送車が、ボストンを金曜夜に出発し、土曜の真夜中に件の銀行に到着する。それが10月4日。金曜日が4日なのか、土曜日が4日なのか、そこは確信が持てない。前者かもしれない。

ただ『Dirty~』発売の2008年、10月4日が土曜日に当たり、物語と合致します。『Nobody~』の発売は2004年ですが。

というわけで、仮に4日が土曜日だったとして、時系列を書きます。(どっちが4日でも、そこは大勢に影響はない)

 

(2008年)10月4日土曜日、これが基準日。

 

9月半ば:ニックがパーカーを車に乗せて、マサチューセッツ州へ。このヤマに取りかかる。

次の火曜日(おそらく9月23日):ニックの友だちで、仕事を持ちかけた男ジェイクが、パーカーの言いつけを守らずに、保護観察を遵守する(ニックがパーカーの家に直電①)。

木曜日(9月25日):ジェイクが銃撃される。パーカーが事件を知ったのは夕方6時、ニックの電話から(家に直電②)。

金曜日(9月26日):午後、パーカーが銃撃犯の家から拳銃を回収。おそらく同日(?) 銀行責任者が、一週間後の10月4日が輸送日に決まったと、地の文で述べる。

月曜日?(9月29日):パーカーが、フロリダでブリッグスと会う。「5日後にマサチューセッツに来てほしい」と伝える。

火曜日?(9月30日):フロリダから戻ったパーカーに、ニックが「仕事まであと4日しかない」と言う。

10月3日金曜日:オール・スタンバイ。午後7時、ブリッグスはフロリダから車で武器を運んでくる。

10月4日土曜日未明:強奪決行。

 

その後、

 

同10月4日午後遅く:ニックが警察に逮捕される。パーカーはトム・リンダルに出会い、『Ask The Parrot』の始まり。

10月5日(日)夜:パーカーとリンダルが競馬場で強奪決行。ニックは州警察とFBIの縄張り争いのせいで、取り調べをされないまま一日放置される。

10月6日(月)早朝:午前7時前、パーカーは帰途、クレアと再会。この約2時間前に、ニックが警官を殺害して警察署から脱走したと知る。本文に「10月」と書いてある。

同日午後:ニックがメッチェン医師宅に押し入り、居座る。

同日夜8時30分:ロングアイランドのネルソンのバーで、パーカーたちの四者会談(パーカー、ネルソン、サンドラ、そしてクレアも同席)

10月8日(水):パーカーがマサチューセッツ州に戻ると決める

10月9日(木)午後:パーカーとクレアが宿にチェックイン。クレアの運転で教会を確認。帰るとサンドラが接触。ディナー後、パーカーはサンドラと取引することを決める。

10月10日(金):パーカーとサンドラは、ネルソンのバーへ。レディーマー・トラックで金を回収すると決める。同日夜、マサチューセッツ州に戻るが、クレアは警察来訪&似顔絵ポスターのせいで、もう宿にはいられないと教える。けれども目立つといけないからと、クレアには翌朝チェックアウトするよう、パーカーは指示する。パーカーは教会向かいの空き家に泊まり込む。

10月11日(土):問題の日。

 午後、ニックはパーカーと空き家で鉢合わせる。パーカーはニックを一度取り逃がす。

 その後、レディーマー・トラックへの積載開始。①と②の謎の始まり。パーカーは、なぜか戻ってきたニックを、地下のキッチンのシンク下へ押し込む。警官二人をごまかして、三人は逃亡。ネルソンが現金積載トラック、パーカーはサンドラの車に同乗。途中、バーに寄る。

同日(土)、警戒域外モーテルにパーカーとネルソンとトラックを残し、サンドラは私物が置きっぱなしだからと宿へ引き返す。パーカーとネルソンはモーテルにとどまり、おそらく1泊。夕食前、パーカーはネルソンに「明日、フランク・ミーニーに電話する」と言う。資金洗浄取引のため。

10月13日(月)午前11時:日曜日では会社が休みだからか、結局月曜日になってから、パーカーはミーニーに電話をかける。同日午後2時、早くもミーニーと対面。(同じクレアの家もミーニーの会社も、同じニュージャージー州内だからね)ミーニーは上司に話を通すので、木曜日3時に電話するよう、パーカーに言う。

 

~ここで、「強奪から2週間と半分後」、マサチューセッツ州の状況が差し込まれる~

 

すなわち、月曜日の午後(おそらく10月20日、警官二人が教会でニックの遺体を発見する。知らせを聞いた刑事レヴァーサは「9日前には、犯人たちもお金も、まだここにあったのに」と述べる。つまり10月11日(土)のことである。

 

戻ってパーカー・サイド。

10月14日(火):パーカーはジュリアス・ノルティの番号にダメもとで電話してから(※『地獄の分け前』より。死んだのは知ってるけど、だれか仕事を引き継いでいないかな、と考えて)、結局エド・マッキーに電話する。

10月15日(水)午前11時:エドが電話を返してくれる。

10月16日(木)午後2時45分:エドが電話でロビンズを紹介してくれる。同3時、ミーニーから予定の電話が入る。

10月17日(金)夜9時:パーカーはクレアとボルティモアに行き、ロビンズに身分証作りを依頼。20万ドル中の半分前払いで、現金を数える。

10月20日(月):午後パーカーはミーニーをアポなし訪問。身分証の雇用記録作りに協力させるため。そして資金洗浄取引を、翌日午後1時フェリー上で、と取り決める。

同日の帰り道、ネルソンに電話で、取引決定を知らせる。

 

~ここでなぜか「11月の上旬午後5時過ぎ」という時間が出てくる~

~③の謎、“a Hefty bag”の登場もこの場面~

 

同日その5時過ぎ、ネルソンから「助けて、パーカー! オスカー・シドが家に乗り込んできたの!」と連絡が来る。パーカーはここで頭にくる。

同日午後8時35分、パーカーはネルソンのバーに到着。諸々片づけ、追っ払う。

 

『ここでも「11月の月曜日の夜、バーが何時までやっているかって?」という、パーカーの台詞が入ります。が、なぜ11月になるのか? 私がどこかで読み間違えたか。

 

しかし、

10月21日(火)9時半ネルソンが、ニックの死体発見のニュースを、パーカーに伝える。つまり前日20日(月)とつじつまが合う

同日午後1時からフェリーを利用した資金洗浄取引が始まり、『Dirty Money』はこの火曜日のうちにすべてが終わる(ネルソンをあと2回も救出する事態になる等)。

 

2回出てくる、11月という表記以外は、なにも問題がないのですが、11月という表記だけが、私のなかで理解できない。

 

いつ、2週間飛びました??

 

・どこかで私が読み落としました?

・それともなにか、読者へのトリックが?

・それとも作者ないし出版関係者の誤りなのか?

 

3点目だとしたら、11月だけならまだしも、こうなってくると①箱の数と位置や②身分証代の表記自体にも疑問を抱かざるを得なくなるから、どうにかこの④11月問題も解決したいんですが……

 

ただ、「11月」以外は全体として筋が通っている。

悪党パーカー・シリーズで、作品をまたいで読者をトリックにかけたことは、それまでにない。……あえて言えば、エド・マッキーがなんの弁解もなく蘇った件くらい。あと、再起不能にしたはずのジョージ・アールが、ピンピン動きまわっていた件くらい。

1作中での矛盾ならば、あることはある。

 

しかし3点すべてが誤記、ないし矛盾に気づかずに書かれたものだとしたら、それは作品として崩壊してしまわないか? A:全部が誤記 B:一部が誤記 C:いずれも誤記ではなく正しい。

いったいどれなんだ……?

 

というか、こんな疑問を持った読者は、本当に私だけなのか? そんなわけないと思うんですが……。

やっぱり私のなにかがおかしいのか?

 

次に新しい謎③a Hefty bagについて説明します。

 

上記「謎の11月」が突如現れた10月20日(月)(※月曜日とは本文にも書いてある)、

パーカーは午後に、ミーニーとの雇用記録のごり押しと、フェリーでの資金洗浄取引の打ち合わせを済ませたのち、コリヴァー・ポンドの自宅(原文にはずっと“クレアの家”と書いてある)へ戻ってくる。が、まっすぐ自宅へは入らず、近所の空き家に行く。ほか過去作にも書いてありますが、パーカーは自分の現金を他人の家の中に隠しておく人。必要なときに引き出してくる。このときは、その他人の家からの帰り、パーカーの車の助手席には「緑色のヘフティ・バッグが一つ」置かれている。家に戻り、ガレージに車を入れる前に、クレアが玄関から出てくる。買い物に行くから車を使いたい、と。「このポンコツを長く使うつもりはないぞ」と言いながら、パーカーは車をそのままクレアに渡し、自分は家の中に入る。ちなみにこの時の車はレンタカーで、パーカーはマサチューセッツで刑事レヴァーサに目をつけられたがために、いつものレクサスに乗れなくなってしまっていた。

戻ってパーカー、ヘフティ・バッグを「家の中を通ってガレージに運ぶ(carried)」。クレアが買い物から帰ってきて、そこでネルソンから救援要請の電話が入る。

 

ここで問題なのは、突然出現したヘフティ・バッグ一袋になにが入っていたのか、です。

ヘフティ・バッグとは、ググれば出てきますが、ジップロック類のメーカー。我々にもなじみのある、アレ。ただしサイズは大小さまざま。ジップロックのような食品保存や、ごみ袋としても使われる。

 

参考画像:

 

 

ただ、この場面での中身は、現金ではない。現金だったら「家の中を通ってガレージ」には運ばないはずです。せめてリヴィングルームにでも置くでしょう。

ちなみにこの場面は、あの「州北部で得た金の半分以上を使った」の記述が出てくる箇所です。a Hefty bag初出の直前に。2チャプター前は、偽造屋ロビンスと会って、金を数えている場面で終わっています。金曜日のこと。

もう一つ、『Nobody~』の前半ですが、クレアから銀行の預金残高が減っていると言われ、パーカーがまさに他人の家から現金を引き出してくるシーンがあります。その時パーカーが持って出てきたのは、「Ziploc bags」4袋。各5千ドル入りで、計2万ドル。

パーカーの貯金はジップロックで、謎のヘフティ・バッグ(ガレージ行き)とは明らかに書き分けられているのです。

だから、ヘフティ・バッグ一袋の中身とは現金ではない。

では、中身はなにか?

この直後、月曜日夜、パーカーはネルソンを助けにクレアの運転で、ロングアイランドへ直行。トラブル処理後、そのままニューヨーク市内に宿泊し、翌火曜日、資金洗浄取引を終えます。

火曜日午前、ニックの死体発見のニュースが流れる(おそらく前日の夜にはニュースになっていた可能性あり)。するとネルソンは、カモフラージュで持ってきた讃美歌集や箱の処分について心配をはじめる。パーカーは「荷物を軽くするのがよい」と言って、現金のみレディーマー(質請け人、救世主の意)・トラックに載せて、資金洗浄取引に持っていこうと言う。この際、ニックが発見されたので、レディーマー・トラックは塗り替え、讃美歌集と箱の処分はあとで考えよう、とも言う。その際、パーカーが、現金を入れるには「ヘフティ・バッグがいいだろう」と提案する。

ネルソンはこれに3袋がいいと同意する。言ったとおり、二人はこの後、トラックを塗り替え、パーカーが購入した大型ヘフティ・バッグ1箱10袋入りのうち3袋に、ダーティー・マネー150~200万ドル分を移し替え、資金洗浄取引に向かう。

このヘフティ・バッグ1箱10袋入りも、画像検索で出てくるのですが、デカい。確かにラージ・サイズ。庭掃除のごみ──雑草とか枯葉とか枝とか──を入れる用らしく、大人の背丈の半分くらいはあります。

ここでなにが言いたいかというと、パーカーが、ヘフティ・バッグは金を詰めるのに良いと考えていることです。クリーンな現金ではなく、番号控えられ済みダーティな現金のほうを。

つまり、最初に出てきたa Hefty bagの中身も、ダーティー・マネーだったのではないでしょうか。

パーカーはその中身を捨てるか、あるいはネルソンのバーの近所に止めてあったレディーマー・トラックの積載物に混ぜて、処分する気だったのでは。予定外にネルソンからの緊急ヘルプ要請が来たので、本当に混ぜたのかはわかりません。ですが、予定どおりであれば、火曜日にレンタカーに積んで、ロングアイランドに持っていくつもりだったのではないでしょうか。

 

では、このa Hefty bagの中身は、どこから来たのか?

 

そう、教会のロフトから消えた4箱のうちの1箱です。