拙著『世界の果てで、永遠の友に ~古代ローマ・ティベリウスの物語、第三弾』 https://ncode.syosetu.com/n5712hm/が、無事完結しましたので、ここに例によってブログ用あとがきと、こぼれ話をば。
まずは一作目、二作目からお付き合いくださった読者様、心より御礼申し上げます。年単位の執筆(ここまで十年がかりらしい)になっておりますので、お待ちくださったり思い出してくださったり、出来たら出来たで長々しかったり、お時間をたくさん割いてくださったこと、感謝してもしきれない思いです。
また三作目から読みはじめてくださった読者様、一部でも目に留めてくださった読者様、ご縁をいただけて幸いです。不親切や強引な展開もあったと思います。少しでも楽しく思うような、あるいは引き込まれる場面があったことを願っております。
そして感想や応援コメント、ブックマークやいいねなどの反応をくださった皆様、やはりくじけず最後まで連載できたのは、だれかが読んでくださっているという手ごたえそのものでした。本当にありがとうございます。
三作目にして一作目の時系列的続編(※七年前)という、不親切極まりない拙著です。一つ一つのアクセス・反応が、どれだけ恵まれたものであったか、わかっているつもりです。
2018年秋に二作目が完結し、わりとすぐにこの三作目に取りかかりました。
ところが、アラビアや諸々の参考資料を読むのはもちろんとしても、「テーマは友情だ! 色々な〈相棒〉の研究だ!」とはりきったことに始まり、脱線に次ぐ脱線を重ね、ようやくにして書き出したのが昨年の3月という……
脱線の例:「あのバズーカ運転手絶対許さん!」「パーカー一生ついてく!」
狂ったようにドートマンダーやケルプやパーカーやグロフィールドの記事を上げていましたっけ。楽しすぎて1年以上経過しましたわ……。
そして恐ろしいことに、わたくしめの最新作はpixiv様掲載の某似非プレイ日記です。某ゲームをなにも知らなくても気楽に頭を空にして楽しめる……かもしれないので、気晴らしに覗いてみてくだされば、うれし……いや、やっぱり恥ずかしいな、あれは(笑)
…今思えば、こちらは連載間近な三作目に対する諸々の発散という意味もあったと思います。辛いところもありましたから、自分の中での気晴らしですね。きちんと推敲もせずヒャッハーしたことをお見逃し願います。
い、いや、そんな話はさておき、三作目関連。
思い出① ストラボン先生の著書『ギリシア・ローマ地誌』二冊を図書館から借りてきただけで筋肉痛を起こす事件。
思い出② 脳内タートルズのテーマソング、エンドレス再生。詩の才能がないので、替え歌が未だ作れないんですが……(←作らんでいい!)
私がいかにタートルズを愛しているかは、こちら。
https://anridd-abananas.hateblo.jp/entry/2015/05/21/001018
https://anridd-abananas.hateblo.jp/entry/2016/09/03/000118
一作目より短いのに、二作目よりも部分が増え、100部分超え。章も多い。
い、いや、一作目実質四年、二作目数ヶ月──が作中の主な時間の流れであったことを思えば、八年弱の時が流れたうえ、ダブル主人公をやったという二点のせいでしょう。
《全体像》
第一章「若き友たち」(前27)/主人公の年齢14~15
第二章「エジプトの姫」(前27~前26)/14~15
第四章「アラビアのルキリウス」(前25~前24)/16~18
第五章「別れ」(前23)/18~19
第六章「永遠の友」(前22~前20)/19~21
参考文献がどれも興味深かったですが、中でも読むのが楽しくてならなかったのが、こちら。
『イエメン もうひとつのアラビア』佐藤寛/著 アジア経済研究所
全体的に文章がすばらしく、ユーモアが素敵なのですが、以下一部引用。(※個人的メモの書き起こしもあります)
イエメン=「緑のアラビア」「農業のアラビア」、段々畑が二千年ものあいだこつこつと維持されていること。「怠け者が一代でもいればただの急斜面に」
「ロバは毎日に通る道を知っているから、人間はなにもしなくてもロバに跨れば、自動的に体と農具を畑まで運んでくれる」「自動車よりロバのほうが優れている」
「生死をかけた戦闘が日常茶飯事だったからか、イエメンの年寄りはみな味わい深い顔をしている」
ハンマーム(お風呂)上がり「この時体のどの部分も外気に直接触れさせないように注意しなければならない。毛穴が完全に開ききっているので、乾燥している空気に触れるといっぺんで風邪を引く」
空気が非常に乾燥しているので、排泄物がたちまち無臭になる。
道路はヘアピンカーブの連続。「運転テクニックのすべてが試される」「テクニックばかりではなく運も試される」「正面衝突より崖からの転落のほうが多い」「ブレーキが焼き切れて止まらなくなる」「車体丸こげ、見せしめのように崖下に──」「スリル満点のつづら折りのホデイダ道路を無事走り終えてサナア(※首都)に帰り着いたとき、運転手が安堵のため息とともに『アルハムド・リッラ―』」「確かにアッラーの加護でもなければ、あの危険な道を無事走りおおせるものではない」「助手席のぼくも思わず──」
等々、まだまだ。
読み終わって後、しばらく「イエメンすごい……」と周囲につぶやき、不思議がられたものでした。
あとは女王カンダケ・アマニレナスでしょうか。上手く書けたかはさておき、絶対に書いてみたかった。拙著本文のスペックは、参考文献中にありましたので、どうもガチのようです。
世界は広い。歴史は深い。迫力の挿絵だけ見失ってしまったのですが、どこへ行ったのか……。
このような感じで、なんとか完走いたしました。
ところでそして四作目、どうしましょうか。今のところ「これだ!」という構想がまったくないのですが、
順当に時系列順に行くのか……?
少し考えますが、いずれまたなにがしかを書くと思うので、時々覗いてやってくだされば幸いです。またご縁がありますように。
ああっ、そして、WEB小説の賞にエントリーしております。まずは一作目。こちらはご紹介いただきました! 開催は6月とのことです。また三作目も応募しようかと考えている賞があります。
正直、今になってどうなるとは考えられないでいるのですが、ま、まぁ、せっかく三本も同シリーズで書き続けたことですし、あらためて皆様のお目に触れる機会をいただけたらうれしく思います。
一作目の、時系列的続編も書けたぞ! 一、二本で終わらなかったし、これからも書く用意はあるぞ、と。
ではでは、このくらいにして、またいつものマイペース・ブログに戻ります。
あらためまして、お付き合いありがとうございます。