我らが世界のMr. オイズーミがフォトダイにアップされた写真に触発されまして、私も十数年前の思い出を引っ張り出しました。それにしてもなんというセレブな場所からセントラルパークを撮っておられるのか! さすがですわ!! セントラルパークってあんなに美しく紅葉するんですね!
一方、以下はわたくしめ、大学をようやく卒業と相成った貧乏女子が、冬のニューヨークに人生初の海外旅行を決行した際の、写真の写真です。
無論、ぼっち旅だったよぅ!
恐怖と緊張のあまり、具合が悪くなりかけました。
ほんの数日間でした。今でも覚えている小さな事件は……
・びびりすぎてレストランに入ることができず、ほぼスーパーと日本から持参のカロリーメイトで食いつなぐ。
・日暮れ前早々にホテルに引きこもる。
・メジャーな観光場所に行けない。
・会話は避ける。
・なのになぜか道を尋ねられる。
・勇気を出して入ったお店のテイクアウト用スープがめちゃくちゃおいしくて生き返る(久しぶりの温かい食事)。
・セルフのカフェで危うくトレーをひっくり返そうになり、黒人のお兄さんに優しく話しかけられる。
・地下鉄コワイという思い込みで、もっぱらバスに乗る。
・そして案の定乗り間違える。でも運転手さんに教えてもらう。
・本屋さんをめぐり、入り浸り、ドートマンダー&パーカーシリーズの原書を探しまわる。
そう、つまり旅の目的は、
念願の「ドートマンダーゆかりの地めぐり」でございました。
臆病大学生(当時TOEIC500点台)は、そんな実にオタクな理由から、初めての海外旅行に独り出かけていきました。
以下、写真複数。
…あれ、あんま人いなくないですか……?
雪が…かなりありますな。まるでうちの地元やないですか。
旅の拠点は、ユニオンスクエアでした。この写真…のはず。
ホテルがすぐ近くにありまして、大きな本屋さんもありまして、ずっとここをうろうろしていましたっけ。
ドートマンダーとメイが住むアパートメントの住所が、確か東19丁目なのですが、私のこのときの宿泊場所がホテル・セブンティーンというのですよ。めっちゃ近くじゃないですか! とテンション上がりまくりでした。
この後無論、ケルプどころかアーニー・オルブライトのアパートメントがあることになっている場所まで歩いていき、独りひっそり悦に入っていた女子大生、いや、ただの怪しいオタ女。
ケルプとバーナード・クレマツキーが食事していたお店が、本当にあった!!とか、(本当です)
教会の後ろの、あれがJ・C・テイラーのオフィスがあるアヴァロン・ステイト・銀行タワーだな!!とか、(住所はこのあたりのはずですが、実在ではありません。モデルですね)
うわああっ!! ここはドートマンダーとケルプとクワークが、噴水の音を利用しながら話をしていたペイリー公園ではないですかー!!とか、(また本当にあった)
……そんなんばっかり考えながら、マンハッタンの冬道をうろついておりました。
…本当にニューヨークです。
彼方に自由の女神。(臆病&金欠のため、近くまでは行けませんでした…)
セントラルパーク。
そう、ドートマンダーとケルプが、何度も肩を並べて歩いたセントラルパーク!!
こうしてベンチに腰かけて、次の仕事で召集する仲間選びをしていたわけですね!!
「ラーツはどうだ?」
「奴はだめだ。飛行機とぶつかりやがってな」
「ホイッスラーは?」
「だめだ。ライオンを逃がしてとっ捕まったんだ」
……おや、私の隣にも相棒が……。
セントラルパークもユニオンスクエアもですが、街中の公園に普通にリスがいて、しかもこんな近くに寄ってくるのが、ものすごく新鮮な驚きでした。
ちなみにかの悪党パーカーは、このセントラルパークに妻の亡骸を――(以下略)
…そうそう、そしてセントラルパークの傍らにあるこういう建物が、『Watch Your Back!』 でドートマンダー一味が盗みに入ったところの――!
そんなことばかり考えておりましたっけ。
帰りの飛行機では、旅の戦利品である悪党パーカーの未翻訳作『Break Out』を夢中で読んでおりました。
あと、お土産に買ったキスチョコがおいしすぎて癖になりました。
ニューヨーク旅行といい、イタリア旅行といい、半引きこもり女を一人海外旅に駆り立てるのは、いつもオタクな欲望です。それにしてもドートマンダー旅行はマイナーにもほどがあったか。
そう、そうだ……このころは古代ローマも知らず、チームナックスも知らず、内定ももらえて、まだぎりぎりまっとうな道からこぼれ落ちてもおらず……(遠い目)
結局同じ年のうちに無職になって、病院通いして、バイトしたものの続かず、自立支援センターのお世話になって……(遠のく意識)
ま、まあ、生きていれば良いこともありますわな!!! 案外、いっぱい!!!
と、ずぶとくアラフォーに足をかけつつある今思います。
たとえお先真っ暗であろうと、捨てずに良かった十数年間でした。
ところで、この時期の諸々の写真を出してみて気づいたのですが……、
恐ろしいことに、十数年前と同じ服を未だに着ている。(※家の中だけだけど)同じバッグをまだ持っているどころか、たまに使っている。(※普通に外出用)
物持ち良すぎ…。いや、いいかげん処分しろ、この貧乏ドケチ!(笑)
安くても、なんというか、年齢相応のものにそろそろ買い換えるとか、いわゆる断捨離というやつをするとか、考えねばなぁ…。
……なんとか予算を用意しよう…。(希望)