先月下旬、無事遠征してまいりました。写真は深夜の横浜。
この翌日は濃霧がニュースになっていましたね。
(以下、いかなるネタバレも避けたい方は、閲覧注意をば)
土曜日、母連れで現地に乗り込む。…もしや母とCUE関連遠征は今年になって初!?
……いかに引きこもりがちな一年だったかがわかるなぁ(ぶっちゃけ金欠もあったけども)。
土曜の朝もあまり調子良くなく、起きれなくてですね、「うあ゛―! もう無理! 母だけで行ってもらおう!」…なんて乱暴な思考もよぎったのですが。
いやいや、なにを言っているのか、お前は。サナトリウムでオトサマが待っているではないか!
「保養所」という意味でならば、私も三ヶ月くらいこもりたいと、わりとマジで考えておるような状態でした。
それはともかく、カフカは言うに及ばず、サナトリウムがなにかすらわからずに行ったのですが(おいおい、英語使うやつ! ラテン語絡みの小説書くやつ!)、
……まさか本当にオトサマが――(略)
いやほんと、「療養」に行ってよかったです。……いや、そんな平穏な舞台ではありませんでしたが、楽しんできました。
なんといっても音尾さんの出演舞台は『PARAMUSHIR』以来。
KAAT芸術劇場はシゲさん出演の『オーランドー』以来。
どちらも多部未華子さん主演。
わたしどもは3階席からの観劇でした。2階席は以前経験ありましたが、オペラグラスを持っていないなか、果たしてどれくらい見えるものかと思っていました。
大丈夫! この超ド近眼の目にここ5年ほどで装填されたオトサマセンサーは、久しぶりといえども錆びているはずはないわ!…と、根拠のあやしい自信で臨みました。
そうしたら、ええ、舞台の演出というか効果というのか、2階席や3階席から観劇することを想定…むしろそのためとしか思えない見せ方がなされておりました。
私はお芝居用語を知らなすぎるまま書くのですが、あれほど目まぐるしく鮮やかに、場面が変わり、装置が変わり、照明が変わる舞台を観たことがなかったと思います。
う、美しい……!!!というのが、全体を通してのまず最初の感想です。
それでいて、場面の転換はわかりやすい。このうえもなくわかりやすいのに、最後にはいつのまにやら迷路に迷い込んでしまう…。あ、あれ……?
つ、つまり、なにがどうなって……!?
私よりも母のほうが、色々わかっていたようです。
『ドクター・ホフマンのサナトリウム』タイトル大事! ものすごく大事! 10日近く経った今になってようやくちょっと腑に落ちつつある感があります。
それにしても舞台前半は、事前情報皆無で行ったこちらとしては想定外の大笑いの連続でした。なんてことだ…!
休憩時間に飛び交う声「あの親友役の人はだれだ!?」「ノブコブの吉村か!?」(←確かに遠目でメイクをしておられると似てらっしゃる)
出版社に持ち込んでからの流れとか、最高としか申せませんでしょう…。
兄、妹、親友という三者のかけ合いでしっかり基礎を作ってこその連続攻撃(笑撃)でしたが、一人で持っていった感がありましたな、大倉さん。
そして休憩を挟んでの後半は、前半の笑いの余韻を残酷に引き裂くがごとく、「やめてくれーー!! 頼むからやめてくれーーー!!!」と、内臓のどこかが実際痛み出すようなシーンが早々に入り。……しかしあの場面は、見せ方以上に、台詞だと思い知らされるものがありました。視覚からの情報よりも聴覚からの情報のほうが、よほどしんどい。問答無用で想像力を引きずり出される、みたいな。
そして我がイチ推しのオトサマはですね、ええ、やはり舞台上で人を引きつけずにおかないなにかを放っておられました。ああ、久々の快感……。そしてまた、坊主になられてからの音尾さんだな、とも思いました。もう一度観たいとしても、観るのがかなり辛い。そんなシーンを演じておられ、しかしそれだからこそ、今回も音尾さんを舞台で見ることができて幸せだなぁ、と。
長時間の舞台でしたが、集中力が途切れることなく見られたと思います。
……でもやっぱり迷い込んでしまった感がある。
文豪カフカのせいということでよろしいのでしょうか。(おい)
そうして上の写真の道を引き返し、ホテルに戻り、翌日はオクラさん20周年ツアーライブに向かいました。
すぐ近くの神宮球場では、ちょうどスワローズのファン感謝イベントの日だったらしく、プレミア12で山田選手の活躍を見た私としましては、そちらにも行ってみたいなどと考えてしまいながら(←お前は西武ファン)、クレープを食べたりなんだしているうちに時間ギリギリになり、やたら速足で草月ホールに向かいました。
そして、心置きなく大笑いしてきました。
もうオクラさん、ネタの面白さもさることながら、お互いのことがどんだけ好きなんだ、という愛があふれ出ていましてね。二人で仕事をすることがあまりない、めずらしいコンビとおっしゃっていましたが、だれよりもお互いをよく見ているのがわかる。
先輩の大泉大先生から、ファンがあれほど真摯な謝罪を受ける羽目になろうとは思いませんでした…(爆)
二人とも全力でトークをし、コントをし、お客さんを巻き込み、お客さんでない人まで巻き込み(!)、20thの歩みを振り返り、笑いと感動の渦を高く高く巻き起こし、それをよくわかっているのに、夜公演もあることもわかっているのに、まるで嫌がらせのようにトリプルカテコをしてしまう観客(ファン)。藤尾エピソードをもっと聞かせろ! 道外ファンは知っているようで案外知らないんだ!とばかりに(笑)
終盤は、藤尾さんの河野さん愛があふれまくり、藤尾さん当人がだれより満足そうだったのでよかったと言いますか。…たぶん、藤尾さんを思いきり歌わせるに至ったそもそもの始まりは、誠心誠意の謝罪をなさった大先輩その人ですよね…。目覚めさせてしまわれた。
来年のジャンボリーでも熱唱されますな、きっと。
まずもうじきのファンミでも再び聞けそうな気がします。
母の談:河野さんは頭が良く、要領も良い人。藤尾さんは実に真面目な人。
帰りは、東京駅そばのKITTEにて、味噌汁専門店で豚汁ととろろご飯、愛媛県のアンテナショップでオレンジジュース飲み比べという、個人的大好物を楽しみまくったうえで、「起きられない! サナトリウム(保養所)にこもりたい!」なんてうだうだしていたやつは一体どこのどいつだった、みたいな状態で帰ってきました。
そしてもうすぐまた、おそらく年内最後の遠征ですね。
つくづくお前は幸せ者だ。
とどめに家に帰って、深夜に崎陽軒のシウマイ弁当食べるくらいにも、ね。