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A.Banana.S

古代ローマ、ナックス兄さん、ドートマンダー・・・好きなことをぽつぽつと。

2014/08/25 カプリ島再訪と、それから一年。

古代ローマ

 

一年が、

 

過ぎました。

 

早いものです。なんだかもう遠い昔のことのようです。

 

2001年目の今日も、霊廟は開いているのでしょうか・・・・・・。

 

さてさて、

 

ナポリ泊の最終日を迎えました。この日もありがたい朝食を終え、いざ、カプリ再訪へ!

といってもそろそろさすがに旅の疲れも出てきたので、この日も無理せず、昼になってからゆっくりと出発しました。地下鉄で近くまで行き、それからフェリー乗り場へ。

予想はしていましたが、人でごったがえしていました。さすが8月。バカンスシーズン。

なんとか乗船。念のため酔い止めを飲んでおきました。

船内はほぼ満席。そして突然周囲にあふれる日本人。

なんでしょう、この安心感は。知り合いがいるわけでもないのに。このたびはどなたからも話しかけられませんでしたが、前回の旅のときは団体旅行中の御婦人と少しおしゃべりをさせていただきましたっけ。このたびは若い方も結構見受けられました。きっと夏休み中の大学生でしょうね。

私も真冬でしたが、大学時代、独り寂しく卒業旅行をしましたっけ。ニューヨークでそう、ドートマンダーゆかりの場所を巡るおっかなびっくりの人生初海外旅行を――。

・・・その話はまた別の記事で書ければと思いますが、思えば私の旅の目的は、いつも同じですね。好きな人ができた、好きなものができた。現実には会えないけれど、会いに行こう!・・・と。

2000年前にお亡くなりになっていようと、フィクションの人物であろうと、問題ではないのです。ただ、仮に私に友人がいたとしても、こんなマニアックというか自己満な旅行にはだれもつき合わせられなかったでしょうね。い、いいんですよ、私は。独りぼっちですが、ある意味では好きな人と一緒に旅をしているようなものですから・・・。

 

なんともまぁ、現実には会えない、この世にはもういらっしゃらない方がお相手というのが、私らしいですなぁ・・・。

はははっ、それだからお前は友だちもパートナーも作れな(以下略)

 

ところが誠に申し訳ないことに、この翌日からは私の自己満旅行に同行者をお招きします。

 

それで、カプリ島の再訪ですが、日本人観光客の方々の会話をなんとはなしに聞きつつ(今までどこに行っていたんですか、あなたがたは! こっちは独りでびくびくしどおしだったんだぞ! と理不尽な言葉を胸中でつぶやきつつ)、乗り物酔いしないか心配しつつ、ふと窓を見ればもうそこに、カプリ島の先端、ヴィラ・ジョヴィスが・・・!

 

ティベリウス様! 私、また参りましたよ! なんかスペルロンガでもご挨拶した気がしなくもないですけど、幸運に恵まれて、再び別荘へお邪魔いたしますよ!

 

時は来たり。

 

ところが、いよいよ島に着いてみたら、そこはもう長蛇の列。高台のウンベルト1世広場へ向かうケーブルカーに乗るための大きな人だかり。

おおっと。前回来たときは6月で、そのときも人がたくさんいたけど、こんなに並んでいたっけか・・・?

おそらくこの時期がいちばん混雑するのでしょう。結局1時間ほど並んだんじゃないでしょうか。

なにしろまず高台の広場まで行かないことには、ヴィラ・ジョヴィスに行けません。

 

ようやく広場に到着して、そこはもう予想するまでもなく、やはり人、人、人。

まずは腹ごしらえ。前回の時も立ち寄ったお惣菜屋さんに入って、アランチーニ(ライスコロッケ)を購入。うん、前回と同じ味と思いながら、店の外でひっそりぱくぱく。

それからまだ時間があると思い、本願へ行く前に、アウグスト公園に向かいました(皇帝アウグストゥスとは関係がない)。

しかしまぁ・・・それにしても人は多かったですね。前回は、広場から一本路地に入ればそれほどでもなかったのですが、今回はアウグスト公園へ向かう途中の通りも、かなりにぎやかでした。カプリのお店はどこも素敵で、ウインドーショッピングをしてもとても楽しいのですが、なにぶんこちらは手持ちがないので、物欲を刺激されても悲しくなるので、ちらちらと見るだけに押さえつつ、公園に到着。

あまりゆっくりとは見ていられなかったかな。それからこれ以上自分をじらしてもと思い、いざ、本願へ!

 

ウンベルト1世広場に戻る途中、また少しばかり道に迷ったのですが、広場からはもう迷わず歩けました。覚えているものですね。ティベリオ通りをずんずん行きます。こちとら2回目ですから、ええ、心の準備はできていますよ、ティベリウス様。歩きますとも!

 

それにしてもこのような通りがずっと続くのですから、やはり最高のお散歩道だと思いませんか。

 

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もしもこの次に来る機会に恵まれたら、そのときはだれかと一緒でありたいと思います。家族でも友人でも、だれか大事な人とこのすばらしいカプリの道を歩きたい。見せてあげたい。

 

さて、それでもやっぱり途中休憩もしながら、再びたどり着きました。

 

ところがここで予想外の事態が。遺跡の係のおじさんが、なんと門を閉めるところではないですか・・・! そんな、まだ夕方にもなっていないのに・・・!!

見学者が少ないからでしょうか。確かにここまで歩いてきたら、あれほど広場でごった返していた人々もどこへやら。日本人はおろか、ほかの観光客とも数名すれ違っただけで、ここにはもう私しかいませんでした。けれども、けれども――。

そもそも何時から何時まで開けているのかも調べていなかったのですが、それにしても早すぎるでしょう!

私は慌てて門へ駆け寄りました。そしたらおじさん、「20分だけだよ」と言って、中へ入れてはくれました。ひとまずほっとしましたが、それでもたったの20分。私は慌ただしくティベリウス帝の別荘へ足を踏み入れました。それはもう本当に、大急ぎの見学でした。

遺跡内には数名の観光客の方がいらっしゃいました。けれども彼らもやはり20分の縛りがある様子で。しかし・・・私が急ぎ歩きまわっているあいだ、5分おきくらいにまた新たなお客が、ぽつぽつと、しかし絶え間なく、やって来ていたんですよ。そのたびにおじさん、結局また「20分だけ」とたぶん言いながら、開けていらっしゃいました。

おいおい、おじさん、実は結構お人好しですか? というか、ご自分のさじ加減ですか・・・?

結局、20分以上は滞在したと思います。それでもあまりゆっくりはできなかったかな。

ティベリウス帝のお宅を早足で動きまわりながら、ここはだれの部屋だったんだろうとか少しばかり思いを巡らし、景色を眺め、再訪できた幸運を噛みしめ、遺跡をあとにしました。

 

お別れは、やはりさみしい。もうちょっとゆっくりしたかったですが、それでも門前払いにされなかっただけありがたいではないですか。

遺跡からの眺めは、やはりすばらしかった。でも前回よりはやや曇りがちの天気だったかな。あのときはようやっとたどり着いた感動と青き絶景に打たれ、長いあいだ放心状態で、海を見ながら座り込んでいました。

 

ところで・・・ってなんだか最近スピリチュアルな傾向が出てきて自分でもどうだかと思うのですが、でももしも、魂というものが存在するとしたら、果たしてティベリウス帝の魂は今どちらにおわすのでしょうか。

私は・・・たぶんローマの霊廟ではないと思うのですよ。もう彼は、お亡くなりになった後37年ののうちに、ご家族のお墓から出立したのではないかと。

なにしろ、次の皇帝カリグラが、彼の母君の遺骨を、ローマの霊廟に納めましたので。そう、アグリッピーナさんを、ね。

霊廟内はとたんに騒動に。

 

「父上、短いあいだではございましたが、私はこれにて失礼申し上げます」

「待て。お前、また家出か。死んでなお家出か。ちょっと待て。待ちなさいって。せっかくほら、こうしてまた家族で会えたのだから」

「ときどきは帰って参りますから。では」

「では、じゃない。待てって。ほら、リヴィア、ドルースス、お前たちも止めてくれ」

 

・・・なんて、失礼しました。とにかくたぶん彼の魂は、このカプリか、スペルロンガか、もしくはロードス島などに向かわれたのではないかと想像する次第です。

 

もしも魂がおわすならそちらに、また来たいです、と心の中で申し上げながら、帰途に着きました。広場に戻って、時刻は16時を過ぎていたと思います。

 

結局、この時も私は、有名な「青の洞窟」には行きませんでした。

 

帰りは、ようやっと私も財布の紐をゆるめ、お買い物をしました。家族や従姉妹へのお土産。シャツとかストールとかアクセサリーとか、カプリらしい明るい色のものを。

自分へは、前回は青い玉のついたキーホルダーを買ったのですが、今回はもうちょっとだけ奮発して、青いブレスレットを。青が欲しくなるんですよ、このカプリから見る景色を前にしたら。

ガイドブックに書いてあったとおり、私はお店に入るときは、無い勇気をふりしぼって必ず挨拶をするようにしていたのですが、このときはお店の御主人が、英語で話しかけてくださいました。

ナポリに泊まってるの? あそこはカオスだよ。ぼくはあまり好きじゃないな」

そうおっしゃっていたと思います。私もナポリにいるあいだは、やはりなにかまずい事態になりはしないかと戦々恐々としていた部分もあったのですが、旅を終えてみたらとくに危なげなこともなく、むしろ意外なところで親切にしていただいたり、話しかけていただいたり、うれしい驚きばかりが思い出される滞在でした。なんというか、これぞ旅。恵まれた、旅。

 

この日はまた、ガリバルディ広場前のレストランに入り、ピッツアとサラダを完食。幸い、ここまで体調は良好。

お店のカメリエーレさん二人が、注文の品を持ってきて、私に写真を撮るよう勧めてきました。ここには載せませんが(たぶん今の時代、載せられてもいいと思って撮らせたのでしょうけど)、ご機嫌なお二方が、ファイルの中に残っています。

 

 

次の日はナポリを立ちます。一挙にイタリア北部へ参ります。