A.Banana.S

古代ローマ、NACSさん、ドートマンダーにパーカー、西武ライオンズ、FEプレイ日記(似非)・・・好きなことをぽつぽつと。

ドートマンダーとパーカーの妄想集。(ラスト五本目)

おおお……。読んでいただけたばかりか、反応まで、ありがとうございます! 他所サイト様にお世話になり、鍵をつけるなど見にくい条件にしておいた中へ、本当に恐縮です。

うれしくてどうにかなりそう……。

 

御礼、また改めて。

 

さて、これで打ち上げ終わりでございます。ドートマンダーものながら、ドートマンダーの出番は……? (リンクは記事の最後に載せています)

 

五、エキストラとスタントマン

 ジャドソンに誘われたスタンは、映画にエキストラ参加することに。見覚えのある人物が主演を務めていたが、急遽カースタントを求められ、さらにはとんでもない事件に巻き込まれる。『GET REAL』(2009)の後くらい。

 

  スタン・マーチ、ジャドソン・ブリント(『Watch Your Back!』(2005)で初登場の新レギュラー)、アラン・グリーンウッドほか。

 

以下、参考文献一覧として。

 

anridd-abananas.hateblo.jp

 

《注意!!》

①一ファンの妄想をテキスト化したものです。ほかのどなた様とも関係がございません。

②検索避け機能等を考慮し、pictBLand様(以下ピクブラ様)にアップすることにしました。

ほぼこのブログからのアクセスのみ想定します。無料です。非会員でも読めます。

BL特化型サイト様です。BL広告が表示されても問題ない方のみアクセスしてください。当方責任は負えません。また読者側から、小説のみ表示、テキスト表示等の機能が利用できると思います。(BL特化であり、専用ではないとのことです)(男性登場人物主体・オールキャラという枠で投稿します)

当方の書くものはBLではありませんが(読みかた次第ですが…)、BL作家様やBLを楽しむ方々に迷惑はかけたくありません。ご了承願います。

問題発生の場合、予告なく削除します。

③各話の鍵(パスワード)は、このブログ名を、コンマ抜き8文字で入力してください。

④最後に、未翻訳作含めて、思いきり内容に触れています。ネタバレしています。許していただける方のみ、アクセス願います。

 

◆◆◆

 

五、エキストラとスタントマン

https://pictbland.net/items/detail/801704

 ジャドソンに誘われたスタンは、映画にエキストラ参加することに。見覚えのある人物が主演を務めていたが、急遽カースタントを求められ、さらにはとんでもない事件に巻き込まれる。『GET REAL』(2009)の後くらい。

 

◆◆◆

 

あー! 楽しかった!

 

ドートマンダーとパーカーの妄想集。(四本目)

前記事スターありがとうございます! も、もしや、両シリーズを読んでいらっしゃいましたか……。

 

 

さて、では、上げます。四本目。悪党パーカーシリーズの妄想。74000字と中編級に長いです。(リンクは記事の最後に)

 

四、哀歌

 パーカー、グロフィールド、ディヴァーズ、トム・ハーリー、あと一人。『Dirty Money』(2008) のあと。

 

 そして、「長いあとがきと、主に『Dirty Money』(2008)の話」

  ブログ記事「あるかわいそうな読者の話」諸々の決着を、これにて。

 

 本編と長いあとがきは別個で載せています。

 あとがき単体でも問題ないと思いますが、単刀直入ですので、できれば『哀歌』を先にご覧ください…。

 

主な参考文献:『殺戮の月』(1974)、『地獄の分け前』(2000)、Nobody Runs Forever (2004)、Ask The Parrot (2006)、Dirty Money(2008)

特に未翻訳の三作品は、ネタバレどころではないレベルでがっつり内容に触れております。ご注意ください。

anridd-abananas.hateblo.jp

 

……とある1ページ、BGMキューティーハニー倖田來未さんのライブver.)で書いたことを白状します。

 

◆◆◆

《注意!!》

①一ファンの妄想をテキスト化したものです。ほかのどなた様とも関係がございません。

②検索避け機能等を考慮し、pictBLand様にアップすることにしました。

ほぼこのブログからのアクセスのみ想定します。無料です。非会員でも読めます。

BL特化型サイト様です。BL広告が表示されても問題ない方のみアクセスしてください。当方責任は負えません。また読者側から、小説のみ表示、テキスト表示等の機能が利用できると思います。(BL特化であり、専用ではないとのことです)(男性登場人物主体・オールキャラという枠で投稿します)

当方の書くものはBLではありませんが(読みかた次第ですが…)、BL作家様やBLを楽しむ方々に迷惑はかけたくありません。ご了承願います。

問題発生の場合、予告なく削除します。

③各話の鍵(パスワード)は、このブログ名を、コンマ抜き8文字で入力してください。

④最後に、未翻訳作含めて、思いきり内容に触れています。ネタバレしています。許していただける方のみ、アクセス願います。

◆◆◆

 

四、哀歌

https://pictbland.net/items/detail/799213

 パーカー、グロフィールド、ディヴァーズ、トム・ハーリー、あと一人。

 

 そして、「長いあとがきと、主に『Dirty Money』(2008)の話」

https://pictbland.net/items/detail/799217

 

 

あるかわいそうな読者の話。(後編)


続き。悪党パーカーシリーズについた書き殴った昔のノートより。(未翻訳作中心、くれぐれもネタバレ注意!)《Breakout (2001)、Nobody Runs Forever (2004)、Ask The Parrot (2006)、Dirty Money(2008)》(※や、下線部は、現在の足し)

 

 

 2007/02/XX

 ニューヨーク旅行決行(人生初の海外旅行)。

帰りの飛行機で、『Breakout』読了。エド・マッキー大活躍回。

Lemons~』もこのとき現地購入。木村氏がドートマンダーシリーズの解説で書かれていた、パートナーズ&クライムで。

 『Breakout』について、ルーズリーフ8ページ分もぎっしり書いていますが、ここでは割愛します。

 

 

2007/04/30

 パーカーの次回作はまだ発表されていないが、ウエストレイク氏のインタビューに気になる言葉を発見! 狂喜! 記録は2006年12月、つまり『Ask The Parrot』発売後の語りである。氏曰く、

「パーカーは2作前に、盗んだ金を残してきた。彼はそれを取りにいくつもりだ」

 2作前=『Nobody~』だ。パーカーが金を取りにいくつもりということは、つまりニックが司法取引で金のありかを話していないということになり、パーカーと三人目ネルスには想定外のことである。話していない、もしくは話したけれどあるはずのところになかった……? トラブルの臭いがものすごくするのは気のせいか!? 期待(でいいのか?)のしすぎか!? 頭に『殺人遊園地』→ あいだに1作 →『殺戮の月』の図が浮かんでしまうのは、どうかしているのか!?

 やっぱりやっちゃうんですか、Butcher’s Moon Ⅱ!!??

 

とりあえず、期待しすぎてしまうのは、

1、ニックをBreakoutさせてくれ、パーカー!

2、身辺に気をつけろ、ネルス!

3、グロ・モア、プリーズ!

4、エド&ブレンダの無事確認

5、やっぱりオールキャスト見たい…。

 

…とにかく「1」、祈るよ。

 

 

2007/11/15

 パーカーシリーズ新作、翌年発売決定。

 この日は、延々とドートマンダーもの『What’s So Funny』の感想を書いて終わる。

 

 

2007/11/30

 来年4月、パーカーシリーズの新作『Dirty Money』が発売される。……興奮を抑えつつ、決定事項を一つ言うと、「パーカーは『Nobody~』で隠したあの金を取りにいく」

 ギャーーーーッッ! やっぱり行くのかっ! やるのかぁっ! アマゾンで見るカバーには、あの教会らしき建物(ニックのご自慢)と札束が描かれている。細かい情報はまだ載っていないが、エディター・レビューを読んで、いくつかわかったことがある。

 今回はその情報と、前作、前々作を元に、『Dirty Money』の展開を、なるべく客観的に分析・予想してみる(※そんなことは無理でした)。果たしてパーカーは無事あの金を手にすることができるのか!? …ちなみに私の展開予想は当たったためしがない。

 

 まず第一に考えることは、「パーカーはなぜあの金を取りに行かねばならないか」である。『Ask~』で説明されていたように、ニックが警察に捕まった時点で、あの金は法の手によって取り戻されたも同然のはずである。ニックが警察にあの金のありかを話し、司法取引をする……それがプロとしてパーカーとネルスの共通の認識である。二人ともあの金をあきらめていた。だからこそパーカーは、トム・リンダルと組んだ。

 警察の手に渡った金を取り返しにいくとは考えにくい。しくじった仕事、それで終わるはずだった。それをなぜもう一度取りにいかねばならないのか? しかもあれは「ダーティ・マネー」(番号を控えられた金)だ。わざわざ危険を冒してまで行くのか?

 考えられる理由は、なんらかの原因で、警察が未だ正確な金のありかをつかめていない、ということではないか。警察が一度回収したものをだれかに横取りされた、ということもあるが、これはちょっと強引でややこしい気がする。

 やはりこれは、警察に押さえられたニックになにかあったと見るべきかと思う。まず<①ニックが黙秘を続けている> 考えられなくもないが、パーカーもネルスも司法取引が行われて当然と見なしているのだから、プロの思考として、可能性は低いかと思う。<②ニックが保釈されてパーカーたちと合流をはかる> 以前『電子の要塞』で、保釈された元相棒が、ウィスとエルキンズに仕事を強要したことがあった。しかし今回は保釈の可能性は極めて低い。いくらなんでも金のありかを言わないうちには。そもそもニックは家に電話もない人なのに(※違います)、どこから保釈金を用意するんだ…。ともかくニックは保釈絡みでパーカーたちを頼るタイプとは思えないし、万一頼ったとしても、パーカーは無視or殺す(おい)のどっちかだろう。(※おい、ではなかったことが後に――以下略)

 となると、残る可能性は<③なんらかの原因で、ニックが警察に金のありかを話せない><④話したが、あるべき場所になかった>のどっちかだと考える。

 ④の場合は、ただちに付近住民は避難すべきである。『殺戮の月Ⅱ』が始まるぞ!

 …しかし前作、前々作を読むかぎり、どこかの組織のような、あの金を横取りしようと企む人間はいなかったし、パーカー、ニック、ネルスの三人以外、あの金の隠し場所を知っているとも思えないが……。

 ③は、ニックがジョージ・ウォルハイム作戦かなにかで(『Breakout』より)、ブレイクアウトを決行した。…あるいは、パーカーたちがブレイクアウトさせにいく、とか。…いや、パーカーはエド・マッキーと違って、わざわざ警察まで助けになんて行かないだろう。それにエディター・レビューを見る限り、「隠した金を取りにいく」とは書かれているが、「仲間を取り返す」などとは、ほのめかされてもいない。ここは「ニックが独力で逃げた」か、「ニックが警察に話せない状態になった」かのいずれかだろう。整理すると、

 

・あるはずの場所に金がなかった。

・ニックが逃げた。

・ニックが警察と取引できない状況になった。

 

これら3つの可能性が有力と考える。

 ここで、エディター・レビューの少ない情報を、深読みかもしれないが、分析してみる。まず金を取りにいくのが「Parker and his associates」……パーカーと仲間たち、つまり仲間が二人以上いるということに。…やっぱり召集かけて十二、三人!? ……いや、まず落ち着け。見たところ、ページ数は前作、前々作、さらにその前より少なめとの情報が載っているので、少し残念ではあるが、そんなに大勢が登場するとは考えにくい。仲間はまずネルスと考えるのが妥当だろう。そしてもう一人は…やはり逃げてきたのか、ニック!?

 さらに、パーカーたちの金を「both sides」の人間が狙っている、とも書かれている。Both sidesとは法の両側、つまり警察と、やっぱりどこからともなく出てきた横取り悪党班が、あの金を狙っているとほのめかしているのではないか。事態はパーカーチームVS警察VS横取り班の三つ巴の様相を呈するということになる。

 ではこの横取り班(人数不明)はどこから来るのか?

 加えて、パーカーが今回乗る車についての記述がある。パーカーはなんと教会関係者であることを表す車を動かすらしいのだが、エディター曰く「パーカーたちは全然神聖じゃない」…それはともかく、パーカーがあの教会に近づこうと企んでいること、つまり、あの金はまだあるべき場所にあるということを示していないか!? ブックカバーにもあの教会らしきものと金が描かれていたし。

 以上のことから考えて、私が出した展開予想は次のとおり…。

 

 パーカーはクレアの家に帰る。もしくは帰ろうとしている。しかしここで異常事態発生! 何者かが、ニック・ダリーシアを警察署から連れ出した! …おそらく警察内部に通じた横取りを狙う悪党の仕業である。しかもニックが警察に金のありかを話す前に、事件は起こった。パーカーは、警察に押収されたならともかく、どこかの横取り屋に金を奪われるわけには断じていかないということで、危険を承知であの町に取って返す。ニュースを聞いたネルスも急ぎ出発。パーカーとの合流を図るが、そこでハービンの件で彼と会う約束をしていた、キーナンの相棒サンドラさんが「ちょっと、これ以上待てないわよ!」と抗議する。でもそれどころじゃないと先を急ぎたがるネルスに、サンドラは結局同行することに。ここで女狙撃手が仲間入りである。

 ニックから金のありかを聞き出そうとする横取り屋、レヴァーサ刑事をはじめとする警察、そしてパーカー一味三人。果たして真っ先に金のありかにたどり着くのはだれか? 生き残るのはだれか? 最後に勝つのはだれか? スピードがすべての三つ巴対決! 万が一、三者が鉢合わせした場合に備え、付近住民はやっぱり避難しましょう。

 

……というのが、私の客観的分析とは名ばかりの、希望的展開である。……でも、普通に数ヶ月か数年後、ほとぼりが冷めたから金を取りにいく…というだけだったり。あるいはブリッグス再供給の武器を手に、ハンディやらグロフィールドやらエドやらトム・ハーリーやら(!)がみんな集まってきて、大集中砲撃を仕掛け、諸々木端微塵…とか。

 

 

2008/03/04

 事態は最悪の展開へ…………!!??

 

 ウエストレイク氏のHPが久々に更新された。ドートマンダーシリーズの最新作を執筆中らしい。タイトルは『GET REAL』 ドートマンダー一味が、リアリティー・ショーに関わるらしいのだが……。来年あたりには読めるんじゃないかと期待している!

 

 そしてそして、残すところあと1ヶ月半となった、パーカーシリーズ最終作の発売……。

 ウエストレイク氏のコメントと、ファースト・チャプターが公開された。はじめは三部作にするつもりはなかったらしいが、『Nobody Runs Forever』で書き足りなかったことがあると思い直した、らしい。今回の『Dirty Money』で一連のマサチューセッツの事件はきっぱり完結と宣言している。その気になるファースト・チャプターの中身は――、

 

 あぁぁああああっっ、なんてことにーーー!!!

 

 パーカーは久々にクレアと再会する。本当に久しぶりだ、クレア。そこで彼女から衝撃のニュースが!

「ニックが逃げたのよ」

 うわーーーっ!!と、このときは思わず手を叩いて喜んだのだが……恐れてはいたが、考えたくはなかった事態が――。

 ニックの逃亡。しかもクレアによると、地元警察とFBIの縄張り争いかなにかで、まだ取り調べが行われていなかったらしい。つまり当局はまだ金のありかを知らない…! そしてニックは、警官を殺して逃げた、と――。

 うわあああ、やった? やっちまったのか、ニック!? そんな……、

 これを聞いたパーカー、「俺たちはまだ相棒だろうか?」そして、首を振る。警官を殺した時点で、もうアナザー・ゾーンに入ってしまったと。

 そして今後を話し合うためにネルスに連絡を取ろうとする。そこでファースト・チャプターが終わる。

 これは、つまり、どういうことになるかって、まさか――

 

 パーカーVSニック!!??

 

 ダーティー・マネーをめぐって、かつての仲間同士で血みどろの争い!? いや、待て。ちょっと待ってくれ。警官を殺すことの意味がわからないニックだろうか? いや、それ以前に、パーカーを敵にまわすことの意味がわからないニックだろうか? なんたって彼はあの『殺戮の月』参加者である。パーカーの金を奪ったらどんな事態になるか、その目で見て知っているはずだ。

 あるいは、パーカーと敵対関係ではなく、協力路線を持ちかけてくるかもしれない。だが警官を殺した危険な状態の彼と、パーカーが再び組むだろうか…?

 殺したこと自体、信じたくない心境だ……。

 いやあああああっ! ニックうううううううっっ!!!

 

 ……『Dirty Money』で、ニックの生存率はどれくらいだろうか?

 パーカーと両方生き延びて、綺麗に終わる、なんてことがあるだろうか。あぁぁ、恐ろしい、悲しい…。

 敵対するなら、ニックは分が悪すぎる。敵対悪党生存率ほぼゼロ%のパーカーに、ネルスとサンドラさんの登場も確実そうだ。ただしサンドラさんはまだ敵になるか味方になるか不明。こちらも気になる動きをみせそうである。というかネルスが心配になってきた。何事もなきゃいいが…(※当時の自分のお人好しぶりよ…)

 パーカーは二作も仕事を共にした元相棒を殺すのか? 金を隠した三人の強盗の運命は!?

 恐ろしい、悲しい、と言いながらも、やっぱり楽しみにしている。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

この日記が、私の両シリーズ覚え書きの最後のページでした。

同年、ウエストレイク=スターク氏の訃報を受けました。

『Dirty Money』と『GET REAL』入手し、目を通し、読んだ気になりました。

私はペンを置き、ノートを閉じました。

 

 

 

そして11年後、2019年4月

 

 

 

あのバズーカ運転手絶対許さん!!!!!

 

 

 

あはははははははは……(汗か涙か)

 

(※過去記事「11年目の真実」)

 

……復活したわたくしめが、なにを書き殴っているかは、これまでと、そしてこれからを、お許しいただけるならば、ご覧くださいませ……。

 

……まあ、その、つまりは、およそ四年の熟成期間(2004-2008)を経ると「ダリーシア氏が出てた」、「いやあああああっ! ニックうううううううっっ!!!」になる、という壮大な悲劇の記録。

 

……というだけではなく、上記の経緯があってこその、妄想集『哀歌』となりました。よろしければ、どっかのバズーカ運転手とわたくしめの因縁の結末(!?)を、ぜひご覧あれ! 近日にアップします。(長いあとがきのほうは、ブログにも載せるかもしれません)

 

 

いや、このうえもなく幸せな読者ですわ、私は。

 

 

f:id:Anridd:20190209231812j:plain

 

※※※

当方の駄文――ファンフィクションはこちら。
ドートマンダー・シリーズ:
『エメラルド始末記』『ファースト・ネーム』『ココナッツと蜘蛛』『エキストラとスタントマン』
悪党パーカー・シリーズ:
『哀歌』『最終作Dirty Moneyについての考察』『アフターワールド』『ラスト・デイズ』『ダーティー・ゴールド』『ライン』
※※※

 

あるかわいそうな読者の話。(前編)


以下、自己憐憫に陥ってしまった覚え書き起こし。悪党パーカーシリーズ。(未翻訳作中心、くれぐれもネタバレ注意!)

 

我がドートマンダー&パーカーシリーズについての、書き殴りノートより。(※や、下線は、現在の足し)

 

事の始まりは、おそらく2004年下半期、『殺戮の月』を初めて読んだころ。

 

 

2004年下半期

 パーカーシリーズ『Nobody Runs Forever』発売告知来たぞ!

 できることなら、またインターネットを漁って、パーカーシリーズ絶版本を集めたい。グロフィールドシリーズも。

 次の未翻訳作(※『電子の要塞』の次という意味)『Breakout』は、パーカーが刑務所から脱獄するところから始まるらしい! うわぁ、大変…。

 最新作『Nobody Runs Forever』は、タイトルが最終回っぽいけど、そうではないらしく、安心。ウェブ上でちょっと見たところ、ダリーシア氏が出てた。(Dalesiaって彼だよな?) 『殺戮の月』のパーカーの仲間は、二十数年を経て、マッキー、ワイツアー、カーロウ、エルキンズ、ウィスとカムバックを果たしている。

 早く新作読みたい!

 

 

2005/XX/XX

 主にドートマンダーシリーズのこと、そして「ダリーシアにまた会えるのを楽しみにしています!」と、つたない英語で書いたファンレターを送りつける。

 

 

2005/12/??

 パーカーシリーズ最新作『Nobody Runs Forever』ゲット!

 第一部まで読み進む。簡潔率直な文章、会話。ドートマンダーシリーズよりかなり読みやすい気がする。(※全然読めていなかったことが後に判明。当時TOEIC500点台)

 

 シンシナティでパーカーとダリーシアを含む7人の男が、仕事の話をするために集まり、顔合わせがてらポーカーをしていた。そのときパーカーは、男たちの中の一人、ハービンという人物が、盗聴器を隠し持っていることに気づいた。6人の男たちは、ポーカーを続けるふりをしてハービンを取り押さえ、ハービンを連れてきた男マクウィットニーにあとを任せ、ミーティングを中止、解散にする。その後ダリーシアがパーカーに仕事を持ちかける。ジェイク・ベッカムという男が企んだ現金輸送車強奪だが、パーカーはどうも背景に感情的なものが絡みすぎていて気に入らない。ベッカムはダリーシアの釣り仲間らしい。『殺戮の月』の途中、「釣りに行く」と言っていたからね。しかしトラブルの種になりそうなベッカムを見て、ダリーシアも「あんた(パーカー)と、俺と、装甲車と、サツと、警備員だけだったらいいんだがな」とこぼす。さらに何故かハービンを追う賞金稼ぎキーナンがパーカーに接触してきて、さらにベッカムが何者かに足を撃たれ、その疑いがパーカーに……。…ややこしいことになりそうである。

(中略)

 今のところ派手なアクションシーンはないが、慎重で冷静、言葉少なく、愛想なしのパーカー。今回はダリーシアが相棒を務めるよう。彼の前の相棒トム・ハーリーは『地獄の分け前』で電話に出ていたが、もうほとんど引退状態らしい。ダリーシアもまた常に冷静沈着で無口なタイプだろうが、パーカーの隣にいると、だれもが多少陽気なおしゃべりに見える。グロフィールドやエド・マッキーのように元々元気の良いキャラでなくても、ウエッブやカーロウとか、おとなしめのキャラも、パーカーの相棒なら気さくな外交役になる。パーカーのこの強烈なクールオーラはすさまじいものだ。

 

 

2006/01/??

『Nobody Runs Forever』読了!第二部に入り、登場人物がどっと増え、パーカー以外の人物視点で物語が進行するので、どんどん入り組んでくる。            

(以下、ただ内容をなぞるだけなので、中略)

おいおい、パーカーですらまだだれも……。…いや、パーカーを殺人鬼呼ばわりするつもりはないんだが、『電子の要塞』では、第1ページ1行目から、その……。

 トラブルが起こりはじめたが、パーカーとダリーシアは着々と計画を進める。パーカーが今回武器調達のために接触したのは、ブリッグスという男。『殺戮の月』の最初でパーカー、ダリーシア、トム・ハーリーらと仕事をしていた、あのブリッグスである。

(中略)

 あとは強奪当日を待つばかり、と思いきや、またしてもトラブル発生。今度は謎の美女尾行者。パーカーはロイ・キーナンの相棒サンドラだと気づく。

(中略)

 事前のトラブルは絶えなかったが、決行当日もトラブルが続いた。

(中略)

 パーカーたちは、ダリーシア自慢の教会に身を隠す。

(中略)

 不審がられない程度の金だけ持って、いったん解散にする。おいおい、いいのか!? また金を置いていくのか!? また『殺戮の月』みたいなことになるんじゃないのか!? ダリーシアか三人目が、グロフィールドみたいな目に遭うことになったらどうすんの!?…などと心配したが、まあ、一ヶ月後くらいに回収するらしいので、たぶん大丈夫、か……?

(中略)

 今作でパーカーの相棒を務めたダリーシア。しかし出番は多かったにも関わらず、ほかの準レギュラーメンバーに比べて、性格、私生活など、かなり謎のままである。あちこち動きまわるので連絡が取りにくい、顔を合わせない仲介人の存在、趣味:釣り、くらいしかわかっていない。『殺戮~』よりずいぶん陽気で気さくな人になったように感じる(前述のパーカー効果?)。パーカーの信頼は今回一緒に仕事をしたことで、いっそう確かなものになった様子。またの登場が楽しみだが、パーカーの相棒特有の災難にはくれぐれも気をつけて。

(中略)

 ひょっとしてタイトル『Nobody Runs Forever』は…

 直訳:永遠に走り続ける者はいない。

 意訳:パーカーだって毎回毎回人殺しするわけではない。

ってことなのだろうか!? とにかく驚愕の事態だ!

 パーカーはおとなしくなったのか? それとも前作で未読の『Breakout』でよっぽど大暴れしたのか? こちらも読みたいなぁ。いや、それとも次回作で、反動がきて、『殺戮の月Ⅱ』なんてことにやはりなってしまうのか? どういうことでしょう、パーカー!?

 

 

2006/01/XX

ファンレターのお返事をいただいてしまう事件。(※詳細は過去記事「ある手紙の話」)

 

 

2006/XX/XX

新作『Ask The Parrot』、タイトルのみ発表!

(中略)

『Nobody~』で金を置いてきて、次作は『Ask The Parrot』とタイトルだけ早く公表されているから、スターク氏はすでに次作を書き上げておられるのではないか。だから一ヶ月後に金を取りにいくとき、なにかトラブルが起こるのではないか。要するに『殺戮の月Ⅱ』となって、ニック(もしくは三人目)がグロフィールドのような目に遭うのではないか、ということである。だれもがマッキーのように不死身とは限らないし。まあ、同じ展開がくり返されるというのも考えにくいが、パーカーの相棒には危険がつきまとう。ニックにはまた会いたいと思うが、またしばらくカナダに釣りに行ったほうがいいのかもしれない。余計な心配であることを祈る。

 

 

2006/05/XX

『Ask The Parrot』11月発売決定!

 パーカーシリーズの最新作『Ask The Parrot』が今年11月に発売される。あらすじはまだわかっていないが、必ずゲット! 気になるのは、その少し前の7月に、グロフィールドシリーズ第4作『Lemons Never Lie』=『レモンは嘘をつかない』が再販されることだ。これはもう、期待していいってことですか!? そうですね!? いいよねっ!? 期待するぞ!! するからなっっ!! ……グロフィールドのカムバックとニックの無事を祈って待ち続ける。もちろん『Lemons~』も購入予定だ。

(実際に買ってきたもの)

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2006/08/XX

『Ask The Parrot』は『Nobody Runs Forever』の続編であるという情報発表!

 ドートマンダーシリーズ『バッド・ニュース』読了!

(中略)

木村仁良氏があとがきで、パーカーシリーズについて触れていたのだが、そこには『Nobody Runs Forever』の続編『Ask The Parrot』との記述が! マジっすか? 予想的中!? やっぱりあの金が……ニックーーーーーっっ!!

…私はダリーシアを気に入ってしまったようです。無事を祈る。

 

 

2006/11/20

『Ask The Parrot』ゲット!

 予定より1週間早く『Ask The Parrot』が手に入ってしまった! うれしいけど、論文の真っ最中! 大丈夫か!? でも読んじゃうんだよなぁ。とりあえるパラパラめくりながら…。

 前作『Nobody~』で、警察に追われて、ひたすら丘を登ったパーカー。今回はそのすぐ続きから物語が始まる。逃亡中のパーカーの前に現れたのは、トム・リンダルという五十代の男。パーカーの逃亡を助け、仕事の話を持ちかける。リンダルはテレビにあふれる現金輸送車強奪のニュースを見て、パーカーに会いにわざわざ出てきたようだ。いや、悪いこと言わないから、そのパーカーさんはやめといたほうがいいんじゃないかい? 彼に関わった素人たちは、まず悲惨な末路が待っているし(例外あり)、前回だれも殺していないから、今回は大暴れの可能性もあるんだよ?…と余計なことを考えてしまう。しかしオールスターキャストものではなさそうだ。むしろパーカー単独ものか? 単独ものはこれまで傑作多しだけれど、ちょっとさみしい…。だれか知ってる仲間出てこないかなぁ。だが頼みのニックは、なんと警察に御用となってテレビに…………いやぁあああああああ!!(泣)

 …まあ、災難で殺されるよりはマシ? きっと関係者みんなが口を割ったんでしょう。ああ、ニックーーーーーっ!!(ニコラス・レナード・ダリーシアらしい)

 一方、なんとか難を逃れた(?)ラッキーマン・パーカーは、前回の金と今回の仕事の金、両方手に入れることができるのか!?

 

 

2006/12/30

『Ask The Parrot』読了。

 ニック逮捕の衝撃に放心状態となり、やけっぱちになりながら論文を書き上げる。もちろんパーカーを忘れたりはしない。年末にかけて一気に読み進んだ。

(以下、ひたすら内容をなぞるので、中略)

(パーカーさん、ついにあれを解禁)

 人間の内面の複雑さ、おもしろさを味わう作品なのかもしれない。パーカーは二人の男性にとって引き金である。機械のような男であるからこその。

 ところでここの競馬場の「グロ・モア」、グロフィールド・モア(もっとグロフィールド!)に見えてしかたなかったんだけど…。

 ああ、それにしてもニックーーーーーっっ! 早く次作でこのさみしさを埋めたい…。

 

 

 

◆◆◆◆◆ 

こうして「カウントダウン」が開始されました。

続く…。

 

 

今年もコナン観に行ってきましたー!

『紺青の拳』! ゴールデンウィークは引きこもりオブ引きこもりみたいな状態だったので、素敵な気分転換にもなりました!

 

以下、ネタバレ避けたい方は閲覧なさいませんように。

 

若干辛めかもです。

 

 

 

・冒頭、今年もさっそくど派手な破壊活動……かと思いきや、なんとかギリギリ抑えた感じ。

 

・博士、なにか悪いものでも食べましたか……!?(戦慄)

 

・いくら高性能でもそれはひどいという方法でさっそく国外脱出。

 

・いや、蘭さぁ…、蘭ちゃんさぁ……(汗)

 

・あれ、ぼくはルパン三世の映画を観に来たかな…?(キッド=ルパン、コナン=次元、京極さん=五ェ門)ほかにも、脇を固めるキャラたちにそこはかとなく漂うルパンの香り。梶さんは、はい、あの子の声も当ててらっしゃった…。

 

・ある意味、京極さんの見せ場を作るために尋常ならざる頻度でチンピラが登場するので、ご指摘は必ずしも間違いではないかと…。

 

・序盤、中盤は、大いにわくわくし、楽しみました。

 

・終盤、まさかの劇場で上映不具合(えっ)……まあ、それはしかたないとして。

 

・出さないキャラはきっぱり出さない判断、よかったと思います。

 

・全体的にすばらしかったのはキッド! なんでしょう、キザさがいつもより控えめだから?(ええっ) いや、勝平さんボイスを心ゆくまで堪能できたから? 前半、ほぼ主役。飛ぶわ飛ぶわ。もうそれこそDBの舞空術レベル。そして、コナンとのコンビは最高ですな! どんだけ固い信頼関係なんですか、キミら…。

 

・しかしどうせならあそこで負傷せず、前半のときにもっと痛めつけられたほうが燃えたのでは…(なんつうことを言っておるんや)だって、前半のはある意味VSボスキャラですけど、そのあとのは別にボスキャラの息のかかった人たちでもなかったでしょう。

 

・京極さんのライバルの方、もうちょい美形に寄せるか、もうちょい屈強にするか、殺し屋っぽくするか(完全にルパン系思考)、せめて年相応の外見にしてもよかったかな……。

 

・京極さん、サイヤ人化(うちの母でさえ、そう申しました)。いや、むしろ卍解!!??……ああ、わたくしめ、一角&弓親コンビのファンです。突然のカミングアウト失礼。

 

・いや、私みたいな中の人連想するやつはさておき、卍解しなくとも、普通のアクションシーンでもっと長めにがっつり描いてもよかったのでは…。蘭VS黒の組織とか、京極さんVSキッド(マンガやテレビ版)みたいな。あの演出をしたら、もうそこで勝負が決まってしまうやないですか。まして、ジャンプ系列ですが、テニプリ劇場版とか、もっとぶっとんだのを見たことありますし…(←知ったことかい)(想定:手塚恐竜絶滅事件)

 

・例のアレが停止したのに、なぜ結局やっぱり爆発炎上沙汰になっているの!? あそこでバズーカ撃っている人一人でやってるの!? バズーカ…? うっ、頭がっ……!(違う妄想に突入)

 

・威力強すぎ。

 

・京極さん、未だかつて見たことがない戦い方をする…。すげぇぜ……。

 

・蘭、がんばれ! ほんと毎年、私は応援しておりますぜ!!

 

・やっぱりそこにいるのかい……。

 

・最近単行本96巻も購入しました。

 

・蘭! がんばれ、蘭!!!

 

・漫画でも劇場版でも、とにかく蘭活躍の話が見たい……! 

 

・というか、あのきょうだい、なにあっさり連絡取り合ってんの!? おかしくない!!??

 

 

……話が逸れました。

 

 

ここ毎年、劇場版観ております。好みによるかと思いますが、『ゼロの執行人』『異次元の狙撃手』が特に面白かったと思います。

とにかく今回はキッドに惚れ直しました。こうなるとキッド&新一の並びが見たくてならなくなる(中の人的に、やってくれるんだろうか…?)。

シンガポールの美しさや情緒には、アニメでもエンドロールでも見とれました。行ってみたくなった…。

 

ドートマンダーとパーカーの妄想集(三本目&冒頭1ページ)

上げます。(リンクは記事の最後に)

 

三、ココナッツと蜘蛛

 ケルプ宅でココナッツ型金庫に挑むドートマンダーの耳へ、留守電経由で妙なメッセージが続々と届きはじめる。『骨まで盗んで』(1993)の後くらい。

 

 ドートマンダー、ケルプ、スタン・マーチほか。

 たぶん全五本中、いちばんコメディ色強め。

 主な参考文献:『逃げ出した秘宝』『バッド・ニュース』

 

anridd-abananas.hateblo.jp

 

以下、冒頭1ページ(一部イニシャル表記)

(……ケータイ電話なんてありません)

 

◆◆◆

三、ココナッツと蜘蛛

 

 その日の朝、電話をかけてしまったことが運の尽きだった。電話を受け取ったところまでは悪くなかったのだから、すでにJ・Dという男の運などとっくに尽きているとは思いたくなかった。

「目ぼしいトラックがあるんだ」電話主のS・Mが教えた。「中身は魚じゃない」

「肉か」

「食いもんじゃないから腐らない」Sは保証した。「ヴィデオ・ゲームだ」

「それは運べるものなのか?」

 Dが尋ねると、Sは彼のために複雑な詳細を省いて説明してくれた。

「家庭用ゲーム機だ。日本製の。タイプライターよりもずっと小さい」

「オーケイ」

「それで、そのヴィデオ・ゲームを積んだトラックが、空港の倉庫から小売店をまわる」

「うん」

「最新のソフトとセット販売だそうだ。世界じゅうが発売日を待っている」

「へえぇ」

「俺たちも待ち遠しいな」

 Sが言った。それはもちろん、ゲーム機と最新ソフトで遊ぶという意味ではない。(Dはソフトがなんなのか知らなかったが、知る必要もないように思われた)トラック運転手に化けた二、三人の男が、倉庫へ行って、小売店ではなく別の場所へ積荷を運ぶという意味だ。たぶん仕入れ先にこだわらない中古品販売店の裏口だろう。

「ブツの出発は正午だ。十時にはお前に会いたいんだがな」Sが提案した。

「いいよ」

「ところでAに電話したんだがな。留守番電話なんだ」

 Dは目を閉じた。Sと二人だけでやってやれないヤマではないが、いつぞやの魚運搬トラックの件もある。声をかけなければあとで面倒くさいことになるだろう。

「俺も電話してみるよ」

「そうしてくれ」Sが言った。「三人ほしいんだ。もしかしたらゲーム機を積み込むところまでやらなきゃいけないかもしれないからな。あいつがだめならほかを当たろう」

 電話を切ったあと、Dはリヴィングルームの時計を見た。まだ午前八時にならない。こんな早くからA・Kがどこに出かけているのか知らないが、それはDの知ったことではない。

 そもそもしばらく前に、Kは留守番電話をやめたはずだった。電話狂いで、Dのアパートメントにも訪問販売のように押しかけてきては、あちこちに二号三号の電話機を設置しようとして、撃退されていた。ところがある日、Kの留守番電話アナウンスを聞いた偽の友人のだれかが、彼の部屋に空き巣に入った。Dにとっては人生で最も痛快な出来事の一つに感じられたものだが、ともかくその一件以来、Kは留守番電話を使わないことに決めた。

 それなのにまた始めたのか。

 非常にしぶしぶ、DはKのアパートメントに電話をかけた。無駄だとわかっていても一応やっておかなければ、あとでうるさいからだ。

 コール音。ガチャ。

「……はい、こちらA・K。留守かもしれないし、留守じゃないかもしれない。とにかくすぐには電話に出られない……」

 いつぞやの電話アナウンスよりも、ずいぶん陰気だった。しかも機器の性能まで悪くなっている。本物よりも機械的な声をしているのは当然にしろ、ずいぶんかすれていて、聞き取りづらかった。

「用があるなら、このあとにメッセージを残しておいてくれ。よろしく……」

 ピー。

「Dだ。Sからのメッセージは聞いたか? お前が無理ならほかの男を探すぞ。あとで文句を言わないで――」

 ガチャッ。

「おいっ!」

 Kの電話機が勝手にしゃべり出すのは、初めてのことではなかった。用件は伝え終えたDが電話を切らなかったのは、機械が彼の名前を猛然と呼びまくったからだ。

「JJJっ、――っ、JJJJ、――っ、俺はっ――、ここにっ――、い、る――」

 おまけにひどく咳き込んでいるような音がした。Dはなぜこんなひどい電話機を使っているのか、Kの気が知れなかった。やはり最新型などろくなものはない。古き良きシンプルなダイアル式電話機こそ至高だった。人間は電話機に無駄なものをつけすぎた。

 ノスタルジックになりながら、Dは穏やかな声で話した。

「お前はいないんだろ?」

「いるって言ってんだろ!」

 三十分後、西三十丁目にあるKのアパートメントの前で、Dはうんざりした気持ちで立ちつくしていた。玄関のベルを押したかったが、二重にしたセイフウェイ・スーパーマーケットのビニール袋で、両手がふさがっていた。

「どうして俺が?」彼はつぶやいた。

 

 

◆◆◆

 

続きは、記事最後のリンクから。(イニシャル表記なし)

 

 

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三、ココナッツと蜘蛛

 https://pictbland.net/items/detail/795503

 ケルプ宅でココナッツ型金庫に挑むドートマンダーの耳へ、留守電経由で妙なメッセージが続々と届きはじめる。『骨まで盗んで』(1993)の後くらい。

 

 

 

 

 

急ぎ。急ぎ。

・会長、お誕生日おめでとうございます!!! 穏やかな春を迎えておられるでしょうか。どうでしょう新作とOOPARTS楽しみにしてます!!!

 

・……そうですか、12日札ドVS有原さんですか…。い、行きたいぃっっ!!!

 

・待って、テニプリ次期部長番外編ってなに!? 我がイチ推しの赤也&戝前になにがあったの!?(突然のカミングアウト)

 そう、忘れもしない2015年、まさか舞台『ORANGE』で、戝前のCVを務めておられた方を目の前で拝見する機会がくるとは、夢にも思わず。

「あ、あ、荒木さんんんんん!!??」

 赤也の中の方と言えば、もうすぐ魔術師オーフェンが再アニメ化とのニュースが。(無謀編込みで全巻読んでたやつはここです)

 

…ホント、何年経っても好きな気持ちはなくならないものですね。(by荒木さんと同世代女)